2006 Fiscal Year Annual Research Report
国際ネットワークを重視した小中高一貫英語教育システムの構築-国語力強化と連携して
Project/Area Number |
16320070
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
椎名 紀久子 千葉大学, 言語教育センター, 教授 (40261888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOSWELL Paul 千葉大学, 言語教育センター, 教授 (20376362)
寺井 正憲 千葉大学, 教育学部, 教授 (50272290)
大倉 孝昭 大阪大谷大学, 教育福祉学部, 教授 (50223772)
岩田 美保 千葉大学, 教育学部, 准教授 (00334160)
只木 徹 名城大学, 大学教育開発センター, 助教 (70410777)
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Keywords | 論理的思考力と発表力 / 母語としての日本語(国語)力 / 英語のコミュニケーション能力 / IT活用 / 小中高一貫の言語運用能力養成 / 英国ナショナルカリキュラム / 認知発達 / 言語技術指導 |
Research Abstract |
本科研の目的は、母語としての日本語力(国語力)と外国語としての英語力育成を連携して指導することにより、クリティカルな思考による聴解と読解、分析と解釈を経て、論理的に自らの考えや意見、報告事項などをプレゼンテーション(説明、説得、描写、弁明など)できるコミュニケーションスキルの育成方法を探ることにある。 「ことばの力」の育成において、日本語と英語の語彙力・文法力増強の必要性は論を待たないが、それと同時に本研究では、論理的な発信力の育成には、レトリックに関する研究に基づいて、ことばの指導に「言語技術トレーニング」という視点も含めることが重要であると認識している。言語技術はともすると無味乾燥なトレーニングと解釈されがちであるが、本研究では、実生活との関連を重視しながら情操面の育成をも視野に入れ、学習者の認知発達、興味、有用性に留意した内容の、幅広いジャンルのテクストを使用して、IT活用や人間教師(日本人、外国人)の有機的連携、学習者間の協調学習を重視した指導方法と教材開発を試みている。 平成18年度の研究目的は、「母語と外国語は、認知・学力面で相互に補完しながら育成される」というカミンズの二言語共有説(1980)に理論面で依拠し、日本語と英語という言語構造や音韻体系のまったく異なる言語間に認知面の補完があるとしたら、どのような側面で、どのような指導をすれば、どの程度の補完を期待できるかについて質的研究を行なうことにあった。そこでイギリスのマンチェスターにある日本語補習校に通う日本人の小中高生の日本語と英語使用について授業観察をして糸口をさぐった。平成18年度も継続して質的研究を行い、英語圏からの帰国子女が日本語使用においても英語のレトリックを適用した論理的な文章構成をするかどうかについて資料を収集し分析を開始した。さらに日本の教育現場ではPISAの調査結果から、高校生の読解力が落ちているという事実から、基礎基本の定着とともに思考力の育成が声高に唱えられ、本科研の研究意義が一層大きくなった。本科研では、高校での教育現場の調査として、5W1Hの理解、行間の意味の把握を経て、発展的に思考する力の育成について研究を行なっているSELHi(スーパーイングリッシュランゲージハイスクール)校の尾道東高校への指導助言と授業観察を行い、言語技術の導入状況の観察を行なった。小学校については、言語技術の導入と英語教育の連携を行なっている栗原北小学校(広島県尾道市)の指導助言と授業観察を経て、その効果をTK式学力検査結果に基づいて分析することを開始した。
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Research Products
(16 results)