2004 Fiscal Year Annual Research Report
13、14世紀東アジア諸言語史料の総合的研究 元朝史料学の構築のために
Project/Area Number |
16320099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
森田 憲司 奈良大学, 文学部, 教授 (20131609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 幸彦 奈良大学, 文学部, 教授 (50035317)
村岡 倫 龍谷大学, 文学部, 助教授 (30288633)
松田 孝一 大阪国際大学, 経営情報学部, 教授 (70142304)
徳永 洋介 富山大学, 人文学部, 助教授 (10293276)
宮澤 知之 佛教大学, 文学部, 教授 (70166164)
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Keywords | 元朝 / 石刻史料 / 耶律鋳 / クビライ / モンゴル帝国 / 北京 / 拓本 / 投下 |
Research Abstract |
16年度の目標は、史料の基礎調査とデータの共有化であった。近年中国で多数出版される石刻資料集を、国内書店経由だけではなく、現地でも収集し、その内容の目録を作成し、公刊した。海外の研究機関所蔵資料については、国家図書館(パリ)、国家図書館(台北)、中央研究院歴史語言研究所(台北)での調査をおこない、現地調査は、中国の北京、山東、陝西、山西、浙江、江蘇、福建などでおこなった。これらの調査で、新資料はもとより、既知資料についても、より良好な状態のものを少なからず収集しえたほか、台湾、中国、アメリカなどの元朝史学界を代表する研究者との意見交換の機会を持ち、本研究への協力要請をおこなうことができた。また、メンバーの過去の調査写真のDB化作業、および、内外の研究機関における所蔵石刻拓本の調査と、入手可能な画像の入手によって、資料の共有作業をスタートさせた。定例の研究集会は8回開催し、石刻史料の輪読、現地調査の報告、メンバー外の関係諸分野の研究者の研究報告を受けた。研究集会に本科研メンバーだけではなく多数の若手研究者の参加を得たのは、学の継承という本研究の目的の1つを具体化できたと考える。また、これらの研究活動の成果公開の場として、"13,14世紀東アジア史料通信"を創刊し、本年度は3号の刊行をみた。第1号掲載の徳永の「耶律鋳夫妻墓誌」録文訳註は、研究集会での共同作業の最初の成果であり、同史料の世界初の訳註・活字化である。また、3号の村岡論考は、ある石刻の記述からクビライの庶弟の子孫とその投下領についての新知見を提供した。掲載した他の現地調査報告や資料目録も、研究情報の学界での共有化という観点から意義が大きいと考えている。本年度の史料調査およびそれに基づく研究成果については、来年度以降も"史料通信"および学会誌等において逐次公開の予定である。
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Research Products
(14 results)