Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 裕子 九州大学, 大学院比較社会研究院, 教授 (40107462)
木村 勝彦 福島大学, 共生システム理工学類, 助教授 (70292448)
奥野 充 福岡大学, 理学部, 助教授 (50309887)
小田 寛貴 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 助手 (30293690)
増田 公明 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (40173744)
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Research Abstract |
本研究では,遺跡や地層から発掘される埋没樹木について,1年輪ごとに複数個の年輪について加速器質量分析による14C年代測定を行い,それに14C年代ウイグルマッチングを適用することにより,小さい誤差(できれば1年)で樹木年輪年代の推定を行う可能性を調べた.まず年輪年代が明らかな年輪試料の14C測定を行い,既存の国際機関から提供されている最新の14C較正データであるIntCa104データと比較した.奈良県室生寺の杉材(AD1617-1739の間61年輪),屋久島の杉材(AD1413-1615の間173年輪,AD881-1072の間78年輪)の年輪について14C年代測定を行い,IntCa104データと比較した.両者は,誤差範囲内で一致するものの,日本産樹木は系統的に14C年代が古くなる傾向があることがわかった.次に,上記の樹木年輪の14C年代をIntCa104データに対してウイグルマッチングを行ったところ,最大4年の古い年代方向へのズレが確認された.AMS法の利用により,最近の14C年代測定の正確度,精度は大幅に改善されてきているが,試料調製法,14C測定を含めて,さらに高精度,高確度を目指す必要がある. 火山噴火や考古学関連資料について,14Cウイグルマッチングを行った.白頭山の10世紀噴火に関連して,独立して3本の樹皮付き炭化木材を採取し,枯死年代をウイグルマッチングで求めたところ,cal AD 935+8/-5,960+8/-19,946+6/-9(95%信頼度)と得られた.3本の木材の結果は,誤差範囲では一致しているが,確率が最大になる年代が互いにずれている.今後の検討を要する.また,真脇遺跡の縄文時代晩期の木柱列柱穴の礎板について,783+13/-11 cal BCと,考古学的推定年代と一致する年代を得た.
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