2006 Fiscal Year Annual Research Report
先史時代における居住様式と動物相の歴史変遷に関する日仏比較研究
Project/Area Number |
16320109
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Research Institution | OKYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
稲田 孝司 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (40135926)
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Keywords | 先史時代 / 旧石器時代 / 中石器時代 / 縄文時代 / 居住様式哺乳動物化石 / 日本 / フランス |
Research Abstract |
(1)日本における居住様式と動物相の歴史変遷に関する研究 a.居住様式の変遷に関する研究:関東地方の環状ブロック群を居住様式と集団関係の観点から分析した論文が印刷されたほか、引き続き東京都明治大学校地内遺跡・岩手県上萩森遺跡・大台野遺跡等、後期旧石器時代初頭遺跡の現地踏査を行って火山灰層や出土遺物を検討した。また、旧石器時代・縄文時代草創期の住居遺構の集成と再評価の作業を進めた。 b.動物相の変遷に関する研究:岡山県足見NT洞窟から出土した動物化石の整理を進めるとともに、長野県野尻湖博物館・岩手県立博物館等を訪問して出土化石や復元模型の観察を行った。旧石器詩代の落し穴遺構が鹿児島県中種子町でまとまって発見され、しかも3万年をこえる古さであり、鹿児島県教育委員会の発掘地を詳細に観察した。これまで静岡県で発見されてきた尾根筋横断型の配列とは異なり、対象動物が異なっていた可能性が考えられた。 (2)フランスにおける居住様式と動物相の歴史変遷に関する研究 今年度のフランス訪問は、海外研究協力者との研究成果のとりまとめに関する打ち合わせが主目的であったが、F.Audouze氏の協力により.新発見で最古段階の壁画をもつアルデシュ県ショーヴェ洞窟を訪問することができた。同洞窟報告書で動物図像の構成を検討すると、ウシ・ウマを主体と考えた従来の壁画観は修正を迫られることとなり、生活遺跡に遺された動物化石との対比でも興味深い。 (3)報告書の作成本研究を総括するとともに、3年間の論文等を再録して報告書を作成した。
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Research Products
(2 results)