2004 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・ガバナンス化の進行に伴う都市空間の再編に関する日独比較研究
Project/Area Number |
16320114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川田 力 岡山大学, 教育学部, 助教授 (30263643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAROLIN Funck 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70271400)
由井 義通 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (80243525)
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Keywords | 都市計画 / ソーシャルガバナンス / まちづくり / 住民参加 / 日本 / ドイツ / 持続可能性 / 都市地理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年、地域再編・地域統合に伴う地方分権化の流れの中で注目されているソーシャル・ガバナンス化の進行が都市空間の再編にいかなる影響を与えるのかを、ドイツの事例と日本の事例を比較しながら分析することにある。本年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 (1)主に1990年以降の日本およびドイツにおける都市空間再編事業に住民やNPOと地方行政組織が協働した事例に関する文献を収集し、各事業計画の事業進行プロセスや、住民・NPO・地方行政組織の協働状況などの特性および地域性について検討した。また、これと併せて、当該事業に関わる都市計画制度および関連法令の差異についても確認した。これに基づいて、事例調査候補地域を選定した。 (2)2004年8月下旬〜9月中旬に、事例地域として選定したドイツのハイデルベルク市およびフライブルク市において、都市計画事業の詳細な進行プロセス、個別事業の特性および住民・NPO等の事業への参加状況について行政側、住民・NPO側の両面に調査を実施した。 (3)ドイツでの現地調査の結果、地方分権の進展しているドイツにおいては、総合的な都市発展が主に地方自治体主導の施策として位置づけられていること、近年はローカルアジェンダ21に基づくことが要請され、単なる住民の意見聴取のみならず、住民に動機づけを行うことにより多数の住民の多様な参画が企図されていること、専門的な知識を持って都市計画に参加するNPO等の組織や住民参加のプロ的人物の事業への関与がみられること、これらのことを通して自治体は公益を求めるとともに、様々な立場の住民や企業など多主体間の利益の調整をするガバナンスの要として役割を果たしていることなどが確認された。 以上の結果は2005年3月の2005年度日本地理学会春季学術大会において発表した。 なお、日本での詳細な事例調査は平成18年度以降に計画している。
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Research Products
(3 results)