2005 Fiscal Year Annual Research Report
旧植民地の地籍資料を用いた東アジア諸地域の空間的変容に関する研究
Project/Area Number |
16320116
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
澁谷 鎮明 中部大学, 国際関係学部, 教授 (60252748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山元 貴継 中部大学, 人文学部, 講師 (90387639)
内藤 和彦 中部大学, 工学部, 教授 (50102778)
河原 典史 立命館大学, 文学部, 助教授 (60278489)
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Keywords | 旧植民地 / 地籍資料 / 地籍図 / 土地台帳 / 東アジア / 台湾 / 沖縄 / 移民 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の沖縄を中心とした調査研究結果を整理し、これを踏まえて旧植民地期の台湾における地籍資料について調査し、これを用いた研究を行った。詳細は以下に記す。 1.沖縄における戦前期の地籍資料の整理:昨年度現地資料調査を行った沖縄の地籍資料について整理し、代表者である澁谷は、石垣市市史編纂室などに保存される地籍測量図や現在の地籍図を、消失した「抱護林」とよばれる人工林の復元に用いた。その結果として「沖縄の風水見分記と抱護・植樹の思想-東アジア風水比較研究に向けて-(韓文)」を発表した。 2.台湾における地籍資料の所蔵調査:2005年8月に分担者の山元と研究協力者の豊島が、台湾において調査を行い、台湾花蓮市周辺の地籍資料の所蔵とその状況について確認した。花蓮周辺の旧植民地期の地籍資料は、花蓮市内の行政機関「花蓮地政局」に所蔵され、そこには終戦(解放)直後まで使用された地籍図と土地台帳が保存されていた。韓国と同様に台湾においても、研究資料としての利用は許可された。なお、花蓮においては解放後に地番のふり直しが行われ、地籍資料の利用の際、留意すべきことが理解された。 3.台湾・旧吉野村における地籍資料を用いた研究:2006年3月には、メンバー全員および研究協力者の北川(立命館大学・院生)で、これまで内藤が調査を行っていた花蓮周辺において現地調査を行った。具体的な内容としては、(1)これまで内藤が実測調査を行ってきた日本式住宅についてその具体的な地番を特定し、その土地所有者の情報を地籍資料から得て研究の深化に資するという試みを行った。さらに(2)昨年度具体的な調査地に決定した、植民地期に日本人が入植・開拓した花蓮縣吉安(旧・吉野村宮前)について、日本式住宅についての現地踏査を行い、調査地に対応する地籍資料を閲覧・撮影した。この調査結果については現在分析中であるが、日本人移民村の詳細な土地所有や移転の動きが把握されうるものと考えている。
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Research Products
(5 results)