2004 Fiscal Year Annual Research Report
暮らしにおけるモノと人との相互的関係に関する生活文化学的研究
Project/Area Number |
16320120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
横川 公子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (50090923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健二 東京大学, 大学院・人文社会学系研究科, 助教授 (50162425)
角野 幸博 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (90248120)
佐藤 浩司 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 助教授 (60215788)
笹原 亮二 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 助教授 (90290923)
森 理恵 京都府立大学, 人間環境学部, 助教授 (00269820)
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Keywords | 生活財 / 大村しげコレクション / モノの調査法 / データベース / モノの分類 / 生活文化 / 文筆生活 / 20世紀 |
Research Abstract |
本研究の拠り所となる大村しげコレクションの整理作業を完了し、現段階で合計1万4753件・8万5307点の内容と所在が確認された。各生活財については、写真撮影および名称・機能分類・使用年代・使用状況・在り場所・材質・法量などの博物館資料としての基本的な調査のほか、使用痕や付随する文字情報・特徴などが情報化され、記録された。 調査は3年間にわたり、しかも膨大な数量に上ることもあって、調査者間の種々のばらつきや調査過程における方法の軌道修正などが必然的に起こり、これらが検討課題として提起された。そのため、これらの修正や補正・統一をしてデータベースを洗練化し、公開するための作業が、ひきつづき行われている。 フィールド調査としては、大村しげのコレクションの一部(30年間分の新聞やチラシ)を収蔵する大村家の菩提寺(岐阜県伊自良町東光寺)における調査や、托鉢や月参りなどのためにしばしば大村家を訪れていた関係者へのインタビュー、研究分担者の関心に従って比較のための情報収集調査を実施した。その結果、大村家における信仰生活のみならず、大村しげの、主に前半生に関する情報が加えられた。 具体的な成果として、コレクションの分析から「執筆資料一覧」「各種のモノ別一覧」「モノの機能分類一覧」「モノの在り場所による分布状況」などが把握され、インタビューやフィールド調査から「大村しげの年賦と居住環境」が再現された。その結果、生活主体の暮らし方や「物書き」としての業績、価値意識、モノを通して共有しうる社会的背景などの一端があぶりだされた。 打ち合わせ研究会は計5回実施され、上述のような検討結果およびフィールド調査の報告にともなって提起される課題をめぐって討論が重ねられ、モノと人との相互的関係から読み取ることが可能な、物語と生活文化の構築・再現およびその方法論の妥当性・可能性を探ることが目指された。
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Research Products
(6 results)