2005 Fiscal Year Annual Research Report
現代的な文脈における条約法の再検討-条約義務に対する国家の同意の内実
Project/Area Number |
16330011
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂元 茂樹 神戸大学, 法学研究科, 教授 (20117576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 正博 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (70168102)
柴田 明穂 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (00273954)
濱本 正太郎 神戸大学, 法学研究科, 助教授 (50324900)
酒井 啓亘 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80252807)
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Keywords | 条約法 / 意思主義 / 多国間条約 / 同意 |
Research Abstract |
本研究は条約法を現代的な文脈に位置づけて再検討することを目的として開始された。現代の多国間条約では、双方が個別利益の確保をめざす二国間条約と異なり、改正、留保、解釈、第三国との関係等の様々な局面において、条約法が前提としてきた意思主義を確認しにくい法的現象がみられる。本研究にいう条約法の現代的な再検討とは、意思主義を理論的な根拠として成立している条約法が、上述の現代的な法的現象をどのように包容しているか明らかにする作業である。 本年度は、昨年度に引き続き、具体的な個別事例の研究を進めた。坂元(研究代表者)は、担当する「人権分野の多数国間条約」の例として、市民的及び政治的権利に関する国際規約を主として採り上げ、規約人権委員会の「判例」による解釈の変遷に力点を置きつつ、検討を進めた。さらに、二国間条約の例として、日韓間の諸条約の事例研究を行っている。五十嵐は、坂元と共に人権関連条約の研究を進めることと合わせて、先行研究の調査を進めている。柴田は、バーゼル条約を中心とする環境諸条約および南極条約について、自らが直接携わっている実務上の知見も活かしつっ、検討作業を進めている。濱本は、理論研究として、いわゆる「立法条約」概念をめぐる先行研究の整理を進めており、また、担当する「ヨーロッパ統合関連条約」の研究として、ローマ条約(EC条約)及びヨーロッパ人権条約の解釈適用における裁判機関(EC裁判所及びヨーロッパ人権裁判所)の役割を調査している。酒井は、担当する「国連・国際機構法」の分野について、とりわけ平和維持活動との関連において本課題に関連する事例研究を継続している。
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Research Products
(4 results)