2005 Fiscal Year Annual Research Report
雇用モデルの多様化に対応した労働契約法と紛争処理システムの立法論的研究
Project/Area Number |
16330013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒木 尚志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (60175966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑村 裕美子 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助手 (70376391)
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Keywords | 労働契約 / 紛争処理 / 雇用モデル |
Research Abstract |
本研究の第二段階にあたる17年度においては,(1)諸外国の労働契約法の客観的把握,(2)日本の労働契約法理に関する判例分析を継続するとともに,(3)内部労働市場において要請される契約法理と外部労働市場において要請される契約法理の相違の分析,(4)労働関係を規律する規範の抽出を試みた。 (1)(2)の作業については,前年度からの作業の継続であるが,国家が刑事罰や行政監督を通じて履行確保を図る労働保護法と,当事者が紛争処理機関を利用してその権利実現を図る労働契約法という視角からの分析の可能性を探った。その結果,ドイツにおいては労働保護法と労働契約法が制定法単位に峻別されているが,フランス,イギリス,アメリカ等ではそのような明確な峻別はされていないこと,しかし,個別的労働関係法規をそのような観点から把握分析することは可能であることがほぼ明らかになったように思われる。 また,雇用モデルの多様化に対応した労働条件設定枠組みとしての労働契約法について,比較法的観点からの検討を試み,その成果については,本研究の出張旅費を用いて参加した国際労働法社会保障法学会欧州地域会議(2005年9月,イタリア・ボローニャ)において関係研究者と討議を行い,また,国際労働法社会保障法学会アジア地域会議(2005年11月,台湾・台北)においては,当該問題をグローバル化との関係から論ずるセッションにおいてパネリストとして報告・ディスカッションを行った。こうした作業を通じて,(3)(4)の課題についても検討を深めた。
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Research Products
(4 results)