Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天児 慧 早稲田大学, 大学院・アジア太平洋研究科, 教授 (70150555)
茂木 敏夫 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (10239577)
岡本 隆司 京都府立大学, 文学部, 助教授 (70260742)
青山 瑠妙 早稲田大学, 教育学部, 准教授 (20329022)
平野 聡 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 准教授 (00361460)
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Research Abstract |
平成19年度は最終年度であることから,成果のとりまとめをおこなった。中国外交史研究の成果を,現代中国研究に対して提供することは,当初の計画通り早稲田大学での中国外交(史)研究会などで継続しておこないつつ,『外交フォーラム』などで社会的な成果の還元をおこなった。他方,青山瑠妙,岡本隆司,平野聡らとともに『東アジア国際政治史』,『中国の外交』といった,中国外交史と現代中国外交研究を架橋する著作を刊行するとともに,現代中国外交の研究書を歴史研究者の側が書評し,また現代中国研究者が『東アジア国際政治史』を評する場が早稲田大学,あるいは東京財団などで設けられた。他方,研究代表者である川島は,岡本隆司,茂木敏夫とともに,若手研究者を中心とする近代中国外交史研究会を組織しているが,主に外交史分野の研究報告会を継続するとともに,岡本,川島編の『近代中国外交史研究』(東京大学出版会,近刊)の公刊準備を進め,2008年2月に滋賀県大津で合宿兼ワークショップを開催し,外部コメンテーターを招いて集中的に議論をおこない,原稿を取り揃えた。主に19世紀後半の中国外交史を扱った著作であるが,刊行された際には,現代中国外交史研究者とともに議論する場を設ける予定である。なお,本科研で議論を進める中で,中国外交史分野と現代中国外交史研究者の間には連続する論点と,相異なる論点も存在することが判明してきた。しかし,個々の論点について茫漠と把握できはじめたところであり,個々の論点の把握は依然課題である。そこで,共通するひとつの課題として,中国の大国化とその自画像/国権外交/国際協調外交などといった論点を整理しつつ,特に中国の冊封,朝貢などといった論点が,近現代にいかに意識されたのかという点についていっそう研究を深めていくこととなった。
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