2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16330024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
御厨 貴 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00092338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 眞 京都大学, 法学研究科, 教授 (80138148)
金井 利之 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 助教授 (40214423)
牧原 出 東北大学, 法学研究科, 助教授 (00238891)
清水 唯一朗 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任助手) (70361673)
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Keywords | 内閣法制局 / 法令審査 / 審査事務 / 意見事務 / 政策研究 / 政治過程 / オーラル・ヒストリー |
Research Abstract |
研究最終年度(第二年次)にあたる本年度は、第一年度において行った内閣法制局の基礎的・総体的な分析を踏まえた上でより研究を深化させるべく、意見事務、審査事務、組織の構成論理、政官関係を主な切り口として分析を進めた。 具体的にはまず、情報公開制度を活用し、これまで内閣法制局に蓄積されてきた膨大な法令審査資料や、法令審査事務の参考として利用されてきた同局の内部資料、さらには内閣法制局そのものの運営に関する資料等を収集することで、如上の個別事例の分析に用いる材料の収集に努めた。加えて、これらの資料に対する解釈理解を深化するため、昨年度に引き続き内閣法制局長官経験者(昨年度より継続1名、本年度新規1名)に対してオーラル・ヒストリーメソッドによる聞き取りを行ったことに加え、意見事務、審査事務、政官関係の分野については、それらに密接に関与する内閣官房、諮問機関の関係者にもそれぞれ聞き取りを行い、分析に資した。 個別の法令審査については、その現代的意義、現今の資料の公開状況、関係者の存否などを考慮して優先順位を付し、分析対象の枠を第一に高度成長期における大規模開発と立法の関係、第二に国家行政組織の展開に据えて調査研究を進めた。この成果については日本公共政策学会の年報において特集を組み、発表する予定となっている。 本研究の進捗に伴い、研究者間においても従来はブラックボックスとして扱ってきた内閣法制局に対し分析対象としての関心がもたれるようになり、本研究会でもそうした研究者との意見交換を積極的に行い、研究の場の形成に努めた。個別の研究成果はもちろんであるが、それに留まらず、研究の地平を広げたことには、今後の研究の展開に対する意義があると考えている。こうした研究資産を踏まえ、未だ途上にある継続しつづけることでより豊穣な基盤形成を目指していきたい。
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Research Products
(4 results)