2007 Fiscal Year Annual Research Report
中国における市場経済化の進展に関する理論的実証的研究
Project/Area Number |
16330035
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
菅原 陽心 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (50171129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 由己 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90377177)
河村 哲二 法政大学, 経済学部, 教授 (20147010)
清水 敦 武蔵大学, 経済学部, 教授 (90192111)
苑 志佳 立正大学, 経済学部, 教授 (00308123)
王 東明 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (30368394)
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Keywords | 中国社会主義市場経済 / 政府のマクロコントロール / 都市と農村の所得格差 / 国有企業改革 / 党・企業間関係と企業統治 / 環境問題 / 地方政府の成長指向 / 国家資産管理委員会 |
Research Abstract |
本研究は中国における市場経済の進展を理論,企業システム,経済政策,金融システムの4つの側面から解明するものである。本年度は,5月,7月と国内で中国からの研究者を交え本研究の成果をまとめるための研究会を行い、中国における市場経済の展開の現状と問題点および社会主義市場経済の意味についてこれまでの調査などに基づき研究を深化させた。8月にはグローバリゼーションに関する国際コンファレンスに参加した多くの国外の研究者と研究交流を行い、本研究に関する議論を交わした。9月以降は研究分担者各自がこれらの成果を踏まえ、論文をまとめると共に、インターネットで議論を深化させた。さらには、成果を完成する際に必要であると思われる諸論点について補足的な調査および中国の研究者と研究交流を行うために3月7日-14日に中国調査を行った。この中国調査では、中国社会科学院の研究者と研究交流を行うと共に、蘇州市行政学院、江陰市行政学院との研究交流、華西村の社会主義新農村などを調査し、社会主義市場経済の展開と党の役割についての研究を深化させた。3月末には、これらの成果を持ち寄り、3月14-15日に東京大学で、また、3月27日-29日に八王子セミナーハウスで研究会を行い、各自の成果の報告に基づく議論を重ね、研究成果のとりまとめを行った。これまでの調査・研究を通し、中国の市場経済は党の強い影響力のもとに実現され、いわば党は市場経済の展開を補足する役割を果たしていること、しかしながら、今後、市場の自律性をさらに認める方向にあることから、従来のような展開が継続できるかは不明であり、また、社会主義という冠の意味がますます希薄になる可能性があり、そこに、大きな転換点が存在するであろうということが確認された。
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Research Products
(9 results)