2005 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの地域経済統合と成長・所得分配・貧困削減-CGEモデルによる計量分析-
Project/Area Number |
16330037
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
江崎 光男 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (60029915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 博 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (40233506)
西村 美彦 名古屋大学, 大学院国際開発研究科, 教授 (10301219)
大坪 滋 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (40247622)
新海 尚子 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教授 (10377765)
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Keywords | 地域経済統合 / 自由貿易協定(FTAs) / 東アジア(中国等) / 成長 / 所得分配 / 貧困削減 / CGEモデル / 世界リンク・システム |
Research Abstract |
21世紀に入って急展開しつつある地域経済統合すなわち自由貿易協定(FTAs)が、東アジア経済にどのような影響を与えるのか、特に東アジア開発途上国の成長・所得分配・貧困削減に与えるインパクトを、CGE(計算可能一般均衡)モデルの枠組みに従い計量的に評価することが、研究課題の第1である。研究課題の第2は、計量分析の結果に基づき、東アジア諸国の開発戦略・将来展望を導くことである。東アジアの中では、特に、タイ・インドネシア・ベトナム・中国に焦点が当てられている。 研究計画第1年目(昨年度)は、計量分析の基礎となる統計資料(特にミクロ家計調査データ)の収集とデータベースの構築、ベトナムに焦点を当てた世界リンクのCGEモデルに関するパイロット・スタディが試みられた。CGE世界モデルによるFTAとベトナムの成長・貧困・分配分析は雑誌論文として公表された。 研究計画第2年目(本年度)は、ベトナムのケース・スタディを中国とタイに拡張し、FTAと両国の成長・貧困・分配効果の分析が試みられた。このCGE世界モデル分析によれば、東アジアFTAは、基本的に、国別格差を縮小する方向の正の成長(GDP)効果があり、厚生(消費)水準は確実に高まり、望ましい分配効果(貧困層の所得上昇、貧富所得格差の縮小)を持つ。両国のケース・スタディは、近日中に、ディスカッション・ペーパーとして公表される。 インドネシアについては、同様の分析作業を開始した段階にあり、7月頃にはケース・スタディを完了する予定である。研究計画最終年(来年度)の後半は、東アジア諸国のFTA戦略・将来展望と全体のまとめに当てられる。
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Research Products
(7 results)