2006 Fiscal Year Annual Research Report
企業倫理を中心とした経済倫理の国際的展開の実証的・理論的・学際的比較研究
Project/Area Number |
16330045
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
橋本 昭一 関西大学, 経済学部, 教授 (60067684)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 孝二 関西大学, 経済学部, 教授 (50067716)
杉本 貴志 関西大学, 商学部, 助教授 (90319608)
小田 淑子 関西大学, 文学部, 教授 (80169317)
安武 真隆 関西大学, 法学部, 助教授 (00284472)
池内 裕美 関西大学, 社会学部, 助教授 (50368198)
|
Keywords | ビジネス・エシックス / イスラームと経済活動 / カトリック社会論 / コープにおけるCSR / 富と徳 / ホワイトカラー・エグゼンプション / 成果主義 / 環境と弱者への配慮 |
Research Abstract |
2006年3月には、途中経過を報告するものとして、研究員全員が執筆参加した『ビジネス・エシックスの諸相と課題』と題する論文集を上梓することができた。国際的比較という点では、論文集は、日本におけるホワイトカラー・エグゼンプション制度の導入を、それが日本で本格的に論議されるより以前に論じている。日本に関しては成果主義の導入が日本的経営(手法)に及ぼす影響についても考察している。イギリスに関しては、環境と弱者への配慮を前面に押し出すイギリスのコープ活動を取り上げている。フランスに関しては政治思想史の観点からではあるが「富と徳」を巡るモンテスキューの思想の分析を行った。また第1章の総論的な考察では、研究代表者である橋本昭一が、2000年以降に出版されたビジネス・エシックスに関するアメリカやイギリスの研究が何を求めているかを概観した。これらで覆いつくせない論点については、イスラーム研究者やその他の研究者を招いて公開セミナーを2度開催した。イスラームの教義と経済活動との関係に関しては、上記の双書でも宗教学的な観点から小田淑子が論文を執筆した。ビジネス・エシックスと宗教的教義との関係については、橋本昭一がカトリック社会論の淵源と基本原理について研究報告を行った。橋本昭一はまた近代経済学の基本原理の確立に貢献したアルフレッド・マーシャルの地代論に含まれる倫理的観点を強調した研究発表を外部の学会等で発表した。さらに関西大学経済・政治研究所が主催している公開講座や産業セミナーにも講師を派遣して、研究成果の社会還元を図った。 実践的な面では森岡孝二が、数多くの実証を元に、多くの機関に招かれ講演活動をおこなうとともに、アメリカのワーキング・プアに関する実証研究の訳書やブックレットの刊行に寄与している。
|
Research Products
(7 results)