2005 Fiscal Year Annual Research Report
インドにおける消費パターンの変化と中小・在来産業の展開:1860-1950年
Project/Area Number |
16330063
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柳澤 悠 千葉大学, 法経学部, 教授 (20046121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 高志 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70347516)
井坂 理穂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (70272490)
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Keywords | インド / 経済史 / 社会史 / 消費 / 社会変動 / 所得 / 国際研究者交流 / インド:アメリカ |
Research Abstract |
1.19世紀後半以降のインドの出版物の流通と消費に関する資料を、分析した。 2.インド・マッチ産業に関する資料を分析して、報告論文を作成した。 3.農業労働者の賃金統計及び栄養摂取調査を引き続き入力・分析して、論文を作成した。 4.2005年12月15日16日に、インド・プネ市のGokhale Institute of Politics and Economicsにて、本プロジェクトのワークショップ"Towards a History of Consumption in South Asia,1750-1950"を開催し、成果を発表し検討した。合計14本の報告が行われた。 5.これらの作業を通じて、(1)20世紀前半に農村下層の消費パターンが彼らの社会経済的自立にともなって変容し、それが搾油、精米、メリヤス製造、ビーリー製造などの小規模・零細工業の発展を支えたこと、(2)マッチのような近代的商品も1920-30年代のインド市場に浸透し、その市場は細かく分断されていたこと、この市場の分断性は生産者側の販売戦略によって主導的に創られたこと、(3)伝統的手工業者の一部は、新たな道具・機械・技術の導入、小規模作業場の形成などの生産組織の変化、仲介商人による消費市場情報の伝達とデザインの開発などを通して、変化した消費需要にダイナミックに対応したこと、等が明らかとなった。さらに(4)1930-50年代の都市中間層がもった「消費」に関するアンビバレントな意識の構造が、新聞広告や漫画の分析から明らかにされた。
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Research Products
(6 results)