2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16330064
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松井 道昭 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 教授 (10046112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永岑 三千輝 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 教授 (70062867)
廣田 功 新潟大学, 人文社会教育科学系, 教授 (90055236)
上杉 忍 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 教授 (90111799)
浅井 良夫 成城大学, 経済学部, 教授 (40101620)
小野塚 知二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40194609)
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Keywords | 普仏戦争 / ホロコースト / 黒人差別撤廃政策 / EU包括的安全保障 / 朝鮮特需 / 大衆文化 / ベルギー新自由主義 / ヨーロッパ経済社会政策 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、各研究分担者がそれぞれの時代と国・地域の戦争と復興に関する研究を継続した。各人の分担に即して報告すれば、以下のようになる。 松井道昭は、フランス本国に赴き、国立古文書館とパリ市歴史図書館にて普仏戦争関連の史料調査を行い、同時に、パリ近郊の戦跡査察を行なった。 永岑三千輝は、昨年のドイツ調査を踏まえ、この間に集めた史料を解読し、ドイツ第三帝国がチェコスロヴァキアを占領して行った占領政策とユダヤ人移住(追放)政策の関連に関して、研究をおこなった。独ソ戦継続、その停滞、第三帝国最初の深刻な「冬の危機」と世界大戦化が、占領地でしかも民政統治下のチェコの地域(プロテクトラート)で引き起こした治安と経済の不安定化が、戦時下の移送政策に押しやるプロセスを実証した。 廣田功は、第一次大戦がフランス福祉国家形成過程にもたらした影響、とくに労働運動の福祉国家観の転換を中心に検討した。その成果は、2005年度政治経済学経済史学会秋季学術大会共通論題報告(「大戦とフランス経済社会の再編」)に反映された。 上杉忍は、第二次世界大戦後のアメリカの世界政策とアメリカの黒人差別撤廃政策とのかかわりを、南部白人人種主義者の代表的存在だったストロム・サーモンド上院議員の対南アフリカ・アパルトヘイト政策、対国連南アフリカ介入反対政策などを検討することを通じて検討。 浅井良夫は、本年度は、占領後期の米対日援助、1950年7月に始まる朝鮮特需と、経済復興(設備投資、原料調達)との関係について検討を行った。 小野塚知二は、昨年度に引き続き戦間期大衆文化の無国籍性ないし多国籍性について調査し、今年度は映画とも密接な関係のある歌謡、殊にレコードやラジオを通じて流行した大衆歌謡の高度な共通性を、ドイツ、ソ連、日本について検討した。 小島健は、第二次大戦中のドイツによるベルギー占領が戦後に与えた影響を考察することを目的として、占領期に海外に亡命し戦後ベルギーの指導者となった人物の政策や経済思想について研究した。年度末にはベルギーに出張し、これらに関する一次資料を調査することができた。 本宮一男は、昨年度に引き続き、戦後の横浜および周辺の地域社会に関する資料調査・研究等をおこなった。 上原良子は、戦後復興期から高度経済成長期における、アメリカの戦後世界秩序におけるフランス外交の対応について研究を継続した。
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Research Products
(9 results)