2004 Fiscal Year Annual Research Report
近現代アジアにおける「健康」の社会経済史-疾病、開発、医療・公衆衛生-
Project/Area Number |
16330065
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
脇村 孝平 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30230931)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
見市 雅俊 中央大学, 文学部, 教授 (30027560)
小林 茂 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30087150)
飯島 渉 青山学院大学, 文学部, 教授 (70221744)
鈴木 晃仁 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (80296730)
美馬 達哉 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20324618)
|
Keywords | マラリア / 疾病史 / 帝国医療 / 熱帯医学 / 天然痘 / 癒し / 時空間構造 / グローバリズム |
Research Abstract |
今年度は、本研究プロジェクトの一年目にあたる。研究分担者間の意思疎通や相互交流をはかるために、研究会活動を重視した。以下、研究会活動と海外出張だけ特記する。 1.研究会活動 計四回の研究会の実施内容は、以下の通りである(研究分担者には下線を付けている)。 ・第一回目 (7月28日-大阪):(1)飯島渉著『マラリアは語る-植民地医学・帝国医療と東アジア広域秩序』の草稿を読む(報告者 脇村孝平);(2)今後の研究計画の相談。 ・第二回目 (10月16日、17日-大阪):(1)「社会国家の生成-20世紀社会とナチズム」(報告者 川越修、コメント 美馬達哉);(2)「時間・空間・感染-麻疹の流行からみる近代日本の時空間構造の変遷」(報告者 鈴木晃仁);(3)「植民地期台湾に於けるマラリア防遏政策-『対人(原虫)法』か、『対蚊法』か?」(報告者 顧雅文)。 ・第三回目 (1月29日、30日-大阪):(1)「病と癒しの文化史-東南アジアの医療と世界観」(報告者 大木昌、コメント 奥野克巳);(2)「近世の東アジア縁辺域における対天然痘戦略」(報告者 小林茂);(3)「グローバル化と疫病-研究のためのアジェンダ」(報告者 脇村孝平)。 ・第四回目 (3月27日-大阪):(1)「大正・昭和初期のハンセン病療養所における患者自治の模索」(報告者 松岡弘之);(2)「日本の熱帯医学の継承と断絶-マラリア研究をめぐって」(報告者 飯島渉)。 これらの研究会活動を通じて、近代アジアの疾病史という研究領域の可能性、特に経済史および社会史研究にとっての可能性を確認することができた。また、来年度以降の展開のために必要な研究分担者間の相互交流を十分に果たすことができた。 2.海外出張 ・飯島渉、鈴木晃仁、脇村孝平は、12月6-10日に、台湾で行われた国際アジア史家会議に参加し、研究発表を行った。その際、海外の研究者との研究交流を行うことができた。 ・脇村孝平が、2月27日-3月10日に、イギリス・ロンドンの大英図書館(British Library)にて、英領期インドの疾病に関する資料調査・収集を行った。また、この渡航では、2005年度12月に予定している国際ワークショップ(交付申請書の研究計画欄に記載)に招聘を予定しているイギリスの研究者(D.Arnold教授およびM.Harrison教授)との意見交換・打合せを行った。 ・脇村孝平が、3月14日-23日に、バングラデシュのダッカ市において、医療・公衆衛生の歴史について調査を行った。バングラデシュ国立公文書館(Bangladesh National Archives)で資料調査を行った。 以上の海外出張を通じて、既に記載した2005年度12月に予定している国際会議の準備を進めることもできた。
|
Research Products
(12 results)