2006 Fiscal Year Annual Research Report
デザインを媒介にしたブランドマネジメント(BM)の研究
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16330072
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤戸 幹雄 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (90335315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木谷 庸二 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助手 (10299133)
上野 直樹 武蔵工業大学, 環境情報学部, 教授 (40124177)
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Keywords | ブランドマネージメント / デザイン言語 / 4階層 |
Research Abstract |
平成18年度は以下の調査研究を実施した。 本年度、本研究では,探索的に行った18年度までの1)と2)インタビューの成果から,分析まとめを主に実施した。 1)フォルクスワーゲングループのピエヒ会長 2)(株)松下電器産業パナソニックデザイン社、(株)ソニー、(株)東芝、(株)トヨタ、(株)シャープ、(株)ノキア(株)サンヨー(株)ポルシェ(株)ジーメンス(株)トヨタ(株)GM(株)FORDの企業のインタビューも実施した。今までの企業インタビューの中から、2006年度の電機会社成功企業として、(株)松下電器産業、(株)シャープ、失敗例として(株)サンヨー、(株)ソニーを選択、自動会社成功企業として、(株)アウディ(株)トヨタ、(株)日産、失敗例として(株)GM(株)FORDを例示としてあげ、どのようにして成功失敗が分かれたかを分析研究した。 研究結果 1)異なるアクター間での合意ないし協働がどのように可能になり得るのかを,デザインを介したBMを事例に,個人の能力に還元せずに組織に埋め込める形の知識として取り出す.そのために,BMの手順を実行するという一見あたり前のことが,どのように障害があったのかを明らかにした。 また、できている企業については,どのように実行可能になっているのか,の2点について人類学のエスノメソドロジーの手法によって明らかにした. 2)具体的には以下の3つの段階をへて研究した。 1-得られた知見をブランドイメージの低い日本企業に対して適用し,どのように実行が阻害されていくかを明らかにした。 2-阻害されることに関する知見を踏まえた上で,あらためて,BMに成功している企業にインタビューを行い,日本企業の組織に埋め込める形でのBMの知識を構成する.この目的で前回3年間デザインを媒介としたブランド研究を実施した。世界各国の自動車会社15社、及び弱電会社をインタビューし、ブランド作成のツールというべき各社の商品、企業全体のブランド計画時点でのプラニング階層が存在することを発見した。すなわち計画段階で把握できた4階層構造を明確にすることにより、実践での混乱が半減出来るものと確信する。また、BMのマネジメントを遂行しやすくなるものと確信する。この手法は現在、日産自動車株式会社、松下電器産業株式会社において実践をしてもらっている。非常に使いやすいツールであることが明らかになってきている。多くのビジネス、企業でブランド作成の手法があいまいであったものの確立が出来たことは意義深い。 研究の成果:ブランド作成のための4階層構造(Personality Value Rewards Function)、企業内のブランド組織、コミュニケーションのあり方のあるべき姿を結果として出すことが出来た。 今後の課題一方、このようなBMの手法が明らかになると同時に、実践の業務にも活用できることが判明してきた。これは特定の企業活動でなく広く広め、制度を高めていく必要がある。 このような現状を認識し、さらに経営現場の声に耳を固めると、さらにBMを継続的に持続的に維持、向上させる手法確立が望まれている。
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Research Products
(2 results)