2006 Fiscal Year Annual Research Report
"テレビジャパン":ジャンル、コンテンツ、エフェクト、記号学的検証
Project/Area Number |
16330093
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
HOLDEN T 東北大学, 大学院国際文化研究科, 教授 (60207058)
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Keywords | テレビ / 日本 / メディア効果 / ジャンル / 記号論 / メディア社会論 |
Research Abstract |
本研究は日本におけるTVコンテンツの包括的な研究である。多様なTVジャンルにおいて、最も有力なテーマに焦点をあてそのエフェクトを査定する。研究方法においては:(1)メッセージ(コンテンツ)に対する内容分析テクニック;(2)メッセージ受信者とメッセージ・プロデューサーに対するインタビューの2つの方法を用いる。メディア研究の多くはメッセージの一側面(送信または受信)を取り上げ、両側面を取り入れたこのような包括的な形態は時間と経費の問題も伴い希少であり、メディア学者にとって価値あるものである。また、本研究がジャンルを重要視するのは、人々の文化コンテンツを処理する能力が平等でないからである。そこで、多様なジャンル;ニュース、スポーツ、食、トレンディドラマ、ワイドショー等と広告、を取り上げる事が大切である。このようなジャンルから鮮明に現れるテーマはナショナリズム、グローバリゼーションとアイデンティティーである。更に、示唆項目から各々のテーマが明示される。例えは、アイデンティティーにおいては、ジェンダー(性役割)、パフォーマンス、インディビジュアリズム(個人主義)、ジャパニズム等が挙げられる。結果、本研究はメディア学や社会学だけではなく、日本学論、文化論、及び文化人類学においても価値のある研究である。研究経過としては、国際スポーツジャンルのデータ収集を取り込んだための遅れが研究全体に響き、全てのプロセスが3-5週間のセットバックがあったものの、データの構築は滞りなく進行した。また、インタビューデータのコード化や分析にも後れを取り、その結果、研究のス活にも影響が及んでしまったことは否めない。また、録画されたTVプログラムの制作プロデューサーのインタビューはスケジュール調整が難しく計画通りとは行かず、記号を自己の解釈に基づいた、(本研究の場合、テレビ・コンテンツ)分析、すなわち、主観性を中性化する試みでもあるイデータ収集であったのでとても残念である。しかしながら、これまでの国際学会における発表は好評で、多くの専門家との交流は、本研究の価値と関連分野への貢献を改めて確認するものであった。
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