2005 Fiscal Year Annual Research Report
コミック同人誌即売会「コミック・マーケット」の文化社会学的研究
Project/Area Number |
16330100
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉山 あかし 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (60222056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神原 直幸 順天堂大学, スポーツ健康学部, 助教授 (70255652)
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Keywords | 文化社会学 / カルチュラル・スタディーズ / コミックマーケット / 同人誌 / 即売会 / おたく / 大衆文化 / 出版文化 |
Research Abstract |
本年度は、以下の3項目の作業を行なった。 (1)昨年実施した3つの調査の分析作業を進めた。 【サークル参加者調査】サークル参加者全数調査によって得られた質問紙回答37,620票について、数量的分析を行なった。女性代表者のサークルでは70.8%が構成員1名のサークル。これに対し男性代表者のサークルでは構成員1名のサークルは47.0%。女性代表者のサークルではコミックマーケット以外の同人誌即売会への参加も活発。男性代表者サークルではコミックマーケット以外の同人誌即売会参加は少なくその代わり書店委託が活発。 【スタッフ参加者質問紙調査】コミックマーケットを運営するボランティア・スタッフに郵送法によって行なった質問紙調査について、得られた336票の回答について数量的分析を行なった。スタッフ参加をするようになったきっかけとしては、「スタッフをしている友人知人に勧められて」という理由が最多(58.6%)。半数以上のスタッフ参加者がコミックマーケットの文化運動としての側面を意識(「よく意識する」19.5%、「時々意識する」37.1%)。 【スタッフ参加者グループ・インタビュー調査】同じくボランティア・スタッフに対して行なったグループ・インタビュー調査の会話記録についてディスコース分析(質的分析)を行なった。コミックマーケットの文化運動としての側面について「結局先日あったビエンナーレですか」という発言もあれば「学生運動の流れでコミケって始まってるはずなんですよ、漫画で革命を起こす」といった発言もあった。 (2)コミックマーケット主催者への聞き取り調査 2005年7月6日15時より、コミックマーケット準備会代表の米澤嘉博氏に対し聞き取り調査を行った。歴史的経緯の確認、調査結果についての確認など。 (3)フォローアップ調査の企画 前2項目を参考に、必要なフォローアップ調査について検討を行なった。
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