2005 Fiscal Year Annual Research Report
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16330102
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
久保田 滋 大妻女子大学, 人間関係学部, 助教授 (20294663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 直人 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (00314831)
矢部 拓也 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (20363129)
松谷 満 徳島大学, 全学共通教育センター, 講師
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Keywords | 地方政治 / 政治参加 / テクノクラシー / ポピュリズム / ニュー・ポリティクス / 投票行動 / 再帰的近代化 / 住民運動 |
Research Abstract |
本年度は、2通りの実証研究を行った。第1に、東京都の6区2市の有権者8500人を対象として、「ライフスタイルと政治に関する調査」を実施し、2887票を回収した。この調査は、ドイツにおける社会的ミリュー研究を参考に、日本におけるライフスタイル・ミリューと政治的態度や投票行動の関連に関する分析を行うことを目的としている。具体的には、石原慎太郎・東京都知事など政治家や政党に対する感情温度、2005年衆院選における投票行動に関して設問を用意した。衆院選における投票行動については、郵政民営化の争点効果が独立して認められ、属性の影響が争点効果に九州されることが確認されている。暫定的な分析の結果については、茨城大学地域総合研究所年報に掲載するとともに、同研究所の研究例会でも報告した。 第2に、徳島における投票行動分析を候補者の「供給面」から補完的に解明するべく、徳島県・市の議員、政党・団体、住民運動関係者に対して約100件のインタビュー調査を行った。これにより、1998年の住民投票署名から2004年の徳島市長選に至るまでの政治過程や運動の展開を、実証的に明らかにするデータを蓄積した。前年度に蓄積した有権者の投票行動という「需要面」に関する分析と供給面の分析を合わせて、各選挙における需要と供給のマッチングや組織間関係を現在解析している。その中間報告として、2005年10月の日本社会学会において「住民投票と政治変動」という統一テーマで7本の報告を行った。 これら2つの作業の成果は、おおよそ以下の通りである。(1)一連の政治的出来事を、マクロな社会変動(再帰的近代化)-政治変動(亀裂構造の変動)として捉える枠組み整備への着手。(2)社会的ミリューと投票行動の関連の予備的な解明。(3)徳島という地域に密着して質的・量的データを組み合わせることにより、政治過程と投票行動を組み合わせて政治変動を分析する。
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Research Products
(5 results)