2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本の「貧困観」に関する実証的研究-アメリカにおける研究との対比の中で-
Project/Area Number |
16330115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
青木 紀 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80125484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 卓 東京都立大学, 人文学部, 教授 (40274998)
杉村 宏 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (20113574)
岩田 美香 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (30305924)
松本 伊智朗 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (20199863)
青木 デボラ 北星学園大学, 短期大学部, 教授 (90310101)
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Keywords | 貧困観 / 貧困問題 / 生活保護 / 社会福祉 / 社会保障 / 知識社会学 / アメリカ / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本年度(初年度)の研究実施計画はほぼ予定通り行うことができ、その成果も少なくなかった。 1.「貧困観」研究を進める準備は、数回にわたる札幌と東京における研究会などを通じて行われた。まず分析方法に関しては、貧困という言葉と貧乏(びんぼう)という言葉の二重性の存在への注目、貧困観の理解をめぐる時間性・歴史性と空間性・国際性という二つの視点に立つことの重要性を明らかにした。そして、貧困現象をめぐる人々の主観的受け止め方の現実を、「もう一つの現状分析」として扱うことが必要である、と主張した。 2.トライアルという位置づけで、貧困観に関するアンケートを実施し、1)民生委員(北海道231名、東京406名)、2)北海道M町を対象として地域住民(138名)、3)その他(100名)のデータを得た。その結果は、上記の「もう一つの現状分析」という意味づけの重要性を浮き彫りにさせてきている。たとえばその一つは、人々のもつ「絶対的貧困観」の強固さであり、貧困対策への影響の問題である。 3.上記の成果や問題意識をもって、3月中旬に米国を訪問し、まずコロンバスにおいてオハイオ州立大学のKeith Kilty教授らと討論し、その後ロサンゼルスにて、さらにアリゾナ州立大学Elizabeth Segal教授、Raura Peck助教授、カリフォルニア州立大学Ellen Leese助教授らを加え、貧困観に関する共同研究の打合せを行い、同意を得、さらにドキュメンタリーフィルムの作成を議論した。
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Research Products
(3 results)