2005 Fiscal Year Annual Research Report
地方小都市における「地域の福祉力」形成及び評価尺度・基準に関する総合的研究
Project/Area Number |
16330116
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
宮嶋 邦明 京都府立大学, 福祉社会学部, 教授 (80046507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 正興 京都府立大学, 福祉社会学部, 教授 (30154892)
築山 崇 京都府立大学, 福祉社会学部, 教授 (80175463)
上掛 利博 京都府立大学, 福祉社会学部, 教授 (30194963)
中村 佐織 京都府立大学, 福祉社会学部, 助教授 (80198209)
長谷川 豊 京都府立大学, 福祉社会学部, 助教授 (90254317)
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Keywords | 地域の福祉力 / ソーシャル・キャピタル / 地方小都市 |
Research Abstract |
1.昨年度に続き、今年度は5万人台の地方小都市3つ(秋田県能代市、山口県下松市、富山県氷見市)で現地調査を実施、市役所や市社協等の職員をはじめ、福祉やまちづくりの非営利組織、協同組合等の関係者に対する聞き取りを行った。能代市(8月)は木材産業の展望が乏しく、空洞化の進む中心部に対し、中山間地域ではまちづくり協議会が組織され歴史や特産品など地域性を生かした活動を旺盛に展開している。下松市(11月)は工業都市で税収入も高く大規模商業施設による集客力がある一方、住民意識が見えにくく、自治組織の有り様を含め周辺地域との比較検討が課題である。氷見市(2月)は農漁業を主とし地形的特質から現在も独立性の高い伝統的地域コミュニティを維持する一方、その継承を図る上で自治の担い手づくりが課題となっている。 加えて、「ユイマール(社会協同)」の精神に基づき、集落の自治組織と一体化した集落公民館を拠点にした独自の活動の蓄積を持ち、かつ現代的課題への挑戦でも新しい動向の見られる沖縄地方から糸満市とその周辺地域の調査を実施した。また、昨年度調査した石狩市、人吉市にも追跡調査を行い、聞き取りやデータの追加収集等を行った。さらに、この間の調査に触発されて、伝統的地域コミュニティのあり方を探るべく、以前調査を行い本研究の足がかりともなった宮崎県都城市を追跡調査した。なお、どの都市も市町村合併の渦中にあり、地域づくりや住民自治のあり方が大きく問われている。 2.1の調査に加え、「ソーシャル・キャピタル」論や「地域力」研究、学会動向等を踏まえながら、「地域の福祉力」形成の現状・達成度を評価するための尺度・基準等を析出すべく、以前の共同研究で明らかにした5つの要件((1)産業経済状況、(2)自治体財政状況、(3)町内会、(4)社会福祉協議会、(5)社会教育・生涯学習)を含め、達成度を的確に示しうるデータ、指標等について引き続き検討した。
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Research Products
(1 results)