2004 Fiscal Year Annual Research Report
障害者のエンパワメントの視点からみた地域福祉理論の実証的検討
Project/Area Number |
16330118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
小澤 温 東洋大学, 社会学部, 教授 (00211821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 直樹 東洋大学, 社会学部, 教授 (40269387)
吉川 かおり 東洋大学, 社会学部, 助教授 (90309013)
稲沢 公一 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (50278165)
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Keywords | 障害者 / エンパワメント / 自立支援 / 地域生活支援 / スティグマ |
Research Abstract |
今年度は、「障害者のエンパワメント」に関する理論概念研究として、「『当事者主体』の意味に関する考察」、「自立支援の地域展開-自立の価値と支援の方向性」、「地域生活支援の概念に関する考察」、「精神障害者に対する社会のスティグマとエンパワメントに関する研究」、の4つの課題を推進した。 「『当事者主体』の意味に関する考察」では、ノーマライゼーション、リハビリテーション、自立生活、エンパワメント、といった思想の歴史的な変遷にふれながら、「当事者主体」の概念がどのように形成されてきたのかについて考察をした。「自立支援の地域展開-自立の価値と支援の方向性」では、自立支援の内容分析から、地域自立支援の方向に関して考察をし、今後の知的障害者の自立支援の拠点としての通勤寮の調査企画に関して説明をしている。「地域生活支援の概念に関する考察」では、障害者の地域生活支援の概念がどのような意味をもちながら展開してきたかについて論じている。さらに、予備調査として実施した沖縄県における地域生活支援の展開について解説を行った。「精神障害者に対する社会のスティグマとエンパワメントに関する研究」では、エンパワメントの阻害要因としてのスティグマに関しての考察を加え、スティグマの解消と克服に関する仮説の構築と、今後の精神障害者や一般市民に対する調査研究の企画に関して解説を加えた。 また、「障害者のエンパワメント」に関する予備的な調査(地域調査を含む)も実施した。今年度は、東京や大阪の地域調査を中心に、「東京都・日野市における難病運動から地域福祉への展開」、「日本における精神障害者団体活動の変遷(その1)」、「地域における入所施設の新しい役割-知的障害者の親による地域福祉の展開」、「精神障害者に対する地域支援基盤形成-大阪市・平野区における地域住民・障害当事者を巻き込んだ地域づくりの実践から」、の4つの課題の調査を進めた。いずれの課題も今年度は予備的な調査として位置づけており、収集したデータの簡単な整理を行った。次年度は、さらに、調査と分析を進め、地域福祉理論との関連性を整理することを企画する予定である。
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Research Products
(6 results)