2004 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児に対する会話発達アセスメント方法と支援プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
16330130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長崎 勤 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80172518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 信也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60251005)
小野里 美帆 洗足学園短期大学, 幼児教育科, 講師
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Keywords | 会話 / 談話 / ナラティブ / 発達 / 健常児 / 自閉症 / ルーティン / 支援 |
Research Abstract |
[研究I]談話発達のアセスメントのための基礎研究 小学校1年生から5年生までの健常学齢児各10名と、同程度の知的水準にある3年生から5年生の3名の高機能自閉症児を対象に、自分の経験を実験者に語る「パーソナル・ナラティブ」と連続した絵を見て語る「フィクショナル・ストーリー」について、マクロ構造、ミクロ構造、およびナラティブ内容の分析を行った。その結果、健常児のマクロ構造では、パーソナル・ナラティブ構造において加齢に伴い低次から高次へ加齢に伴う変化が認められた。ミクロ構造では、文の結束率はパーソナル・ナラティブに比ベフィクショナル・ストーリーで高く、フィクショナル・ストーリーにおいて加齢に伴い文の結束率が増加する傾向があった。高機能自閉症児のマクロ構造では、パーソナル・ナラティブの構造については、低次から高次へと加齢に伴う変化が認められたが、健常児と比べ、その構造は低次にとどまっていた。フィクショナル・ストーリーの構造は、3児ともに、健常児群と比べて年齢相応であると判断された。ミクロ構造では、結束性分析において、高機能自閉症児の文の結束率は健常児群と比較べ、1標準偏差低かった。 [研究II]談話発達の実験的支援研究 コミュニケーションの始発が少なく、言語を用いての自発的な要求伝達が少ない広汎性発達障害男児(CA6歳4ヶ月、指導開始時)に対し、「相撲ゲーム」ルーティン課題を用いて、対戦相手への自発的な言語による誘いかけ行動を指導した。その結果、援助無しで、自発的に「○先生、おすもうしよう」といった誘いかけが可能になり、併せて、勝った際に、ポーズをとるなどの情動表出もみられるようになった。また、日常生活でも自発的働きかけが頻繁に見られるようになった。
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Research Products
(1 results)