2005 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児に対する会話発達アセスメント方法と支援プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
16330130
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長崎 勤 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80172518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 信也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60251005)
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Keywords | 明確化要請 / 会話 / 修復 / トピックスの維持 / 劇 / アドリブ / 広汎性発達障害児 |
Research Abstract |
[研究I]談話発達のアセスメントのための基礎研究 第1研究として2、3歳の健常幼児とその母親との相互作用場面を観察し、母親の明確化要求の形式や機能の変化と、それに対する子どもの応答を分析するとともに、子どもの自発的な明確化要求の使用の発達的過程について検討した。第2研究として、発達年齢が2歳から4歳の2名の広汎性発達障害(以下:PDD)男児とその母親との相互作用場面を縦断的に観察し、健常児の結果と比較検討することによって、PDD児の明確化要求への応答と使用の特性を明らかにすることを目的とした。健常児では、2、3歳児は、母親の明確化要求に応答することで会話を継続するだけでなく、子どもが自発的に明確化要求を使用することで会話に参加する様相が認められ、2、3歳児の高次な会話能力と会話への高い志向性が示唆された。PDD児では、母親の明確化要求に対して修復することで会話が成立することは可能であったが、自ら明確化要求を使用することで会話を継続していくことはほとんどみられなかった。 [研究II]会話の発達支援プログラムの開発と実験的支援 広汎性発達障害児を対象に語用論的機能における(1)「伝達機能」および、(3)「トピックスの維持」の前提といえる「他者とトピックスを共有する機能」を劇遊び劇「3匹の子ブタ」共同行為ルーティンをとおして指導し、「トピックス共有」とストーリー理解との関係について検討した。本児は、指導初期から中期にかけての自発的にルーティンの要素を遂行することが可能になる時期を経て、指導中期から後期には、アドリブ行動としての対人的なやりとりや狼の感情を表現することがみられた。また指導後期にはナレーションに合わせて本児が台詞を言うことがみられたこと、対人般化が確認されたこと、指導者が台詞を変えて関わった場合でも本児は楽しみながら劇遊びを遂行することが可能となった。
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Research Products
(6 results)
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[Book] Language intervention through use of scripts for children with Down syndrome. Shwalb, D., Nakazawa, J., Shwalb, B., (Ed.), Development in culture context : Applied Research on Japanese children.2005
Author(s)
Nagasaki, T., Onozato, M.
Total Pages
353
Publisher
Greenwich, CT, Information Age Publishing Inc.