2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16330132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南 徹弘 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40030043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野林 俊彦 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80156611)
今川 真治 大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (00211756)
安田 純 大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (30324734)
小島 康生 中京大学, 心理学部, 助教授 (40322169)
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Keywords | 保育園児 / 保育士 / しつけ行動 / 仲間関係 / おやつ場面 / 席取り行動 |
Research Abstract |
本年度の研究実績として次の2つの成果が得られた。 1.2歳齢保育園児に対する保育士のしつけ行動の分析 集団場面でのしつけが子どもの社会性の発達に与える影響を検討するために、集団生活の様々な場面において、保育士がどのようなしつけを行っているか、また、それらのしつけが児の行動に与える影響を明らかにするために、保育園の2歳齢クラスに所属する児26名および担当保育士を観察対象とする観察を実施した。具体的には、保育園における食事場面、絵本場面、自由遊び場面において、保育士のしつけ行動による介入と、児の行動をデジタルビデオカメラを用いて撮影を行い、分析を行った。分析の結果、集団場面において保育士は、場面や介入の対象となった児の行動に応じて、しつけの方略を柔軟に変化させていた。また、保育士によるしつけは、児が自ら考え、望ましい行動に気づくような機会を与えるという、児の自己制御能力の発達を促すものであることが示唆された。 2.おやつ場面の席取り行動からみた5歳齢保育園児の仲間関係 保育園での様々な場面における児の仲間関係、および相互交渉のきっかけとなる他児への働きかけを詳細に示し,児の仲間関係を多面的に捉えることを目的として、5歳齢の保育園児(30名)を対象として観察を実施した。具体的には、自由遊びとおやつのそれぞれの場面を8mmビデオカメラを用いて撮影し、児が一緒に遊んでいる相手および誰と一緒に座っているか、おやつ場面で行った席取り行動の種類を記録した。また8名の対象児(男児4名、女児4名)については、誘い行動および仲間入り行動とその相手も記録した。その結果、5歳齢児は、保育園の生活のなかの異なる活動においても、安定した仲間関係を築いていることが明らかになった。児の仲間関係と相互交渉のきっかけとなる働きかけは密接に関わってわり、特に、児の位置が席によって空間的に固定され、活動が限定されているような場面において顕著になることが示された。
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Research Products
(6 results)