2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16330132
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南 徹弘 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40030043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野林 俊彦 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80156611)
安田 純 大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (30324734)
今川 真治 広島大学, 教育学研究科, 助教授 (00211756)
小島 康生 中京大学, 心理学部, 助教授 (40322169)
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Keywords | けんか / けんかへの介入 / 性差 / 行動観察 / 保育園児 |
Research Abstract |
本年度においては、保育所に通園する幼児を対象として、けんかが生起した際に周囲の幼児がいかなる介入行動を示すのか、行動学的に観察、分析を行った。具体的には、5歳齢および6歳齢の幼児を観察対象とし、彼らの間で起こったけんかの内容、そのけんかに対して他児が介入を示したか否か、介入を示した場合にはその内容を記録した。10分間あたりのけんかの生起頻度は、5歳齢で2.7回、6歳齢で1.1回であった。いずれの年齢においても、けんかを生起させた当事者間の性別に有意な偏りは認められなかった。けんかの内容については、5歳齢においては、物や場所の占有に関するものが、6歳齢においては、アクシデントからけんかに発展したケースが最も多かった。いずれの年齢においても生起したけんかのほぼ半数において、他児からの介入が認められた。けんかに介入した児の性別は、5歳齢では男児女児それぞれが同程度介入していたのに対して、6歳齢においては女児の方が男児よりも、より頻繁に介入していた。けんかへの介入は、けんかの当事者からの働きかけにより介入がなされたものと、他児から自発的に行われたものに分類された。いずれの年齢においても、前者の事例は後者のそれより少なく、けんかへの介入は多くの場合、他児が自発的に行っていることが明らかとなった。介入について、けんかに声援を送る等、けんかをより助長させるような介入、けんかにおいて優勢な児を非難する等、劣勢者に加勢する介入、状況の把握のため当事者に説明を求める中立的な方略が認められた。いずれの年齢においても劣勢者に加勢する方略が多く用いられており、けんかを助長させるような方略を用いたのは男児のみであった。以上の結果より、けんかへの介入には、児の性別が影響を与えている可能性があることが示唆され、幼児がけんかに介入する場合の様相が明らかとなった。
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Research Products
(7 results)