2004 Fiscal Year Annual Research Report
居眠り事故を未然に防止するための睡眠・覚醒管理技術の開発
Project/Area Number |
16330143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林 光緒 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00238130)
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Keywords | 居眠り事故 / 眠気 / 疲労 / 短時間仮眠 / シート / 作業成績 / 睡眠慣性 |
Research Abstract |
【目的】運転時の居眠り事故を未然に防止するための方法として、車内における最適な仮眠姿勢を構築し、短時間仮眠法の洗練化を図ることを目的として、仮眠時のシート角度の違いによる疲労回復効果を調べた。【方法】睡眠習慣に乱れがない大学生10名(平均21.7歳)が実験に参加した。14:00に20分間の仮眠をシート角度100度の安楽イスで取る場合と、ベッドで取る揚合でその効果を比較検討した。両条件で睡眠の長さを統一するために、睡眠が20分出現した段階で実験参加者を起こした。行動的測度としてパソコンにより提示した課題の成績、主観的測度として眠気・疲労・作業動機に関する自己評価、生理的測度として脳波と心拍変動を測定した。【結果と考察】安楽イスでシートを立てて20分間の短時間仮眠を取った場合は、浅い睡眠段階は長くなるものの、ベットで眠った場合と同様、5点満点で4点以上の熟眠感と休息感のある仮眠がとれ、午後の眠気を低減することができた。さらに安楽イスで仮眠をとった場合には、気分の改善が見られること、ベッドで眠る場合よりも課題に対する誤反応が少ないことから、午後の眠気を改善するための方法として、安楽イスで短時間仮眠をとることは、ベッドで眠るよりも効果的であると考えられる。ただし、いずれの条件でも、作業に対する反応時間の延長が認められ、作業内容によっては、却って作業成績が低下する可能性があることも明らかになった。以上の点から、車内において、居眠り事故を未然に防止するためには、シートを立てた場合でも、倒した場合でも、短時間仮眠をとることが重要であること、起床直後の作業成績の低下(睡眠慣性)の影響を考慮すれば、シートを倒す場合よりも、立てて眠った方がさらに効果的であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)