2005 Fiscal Year Annual Research Report
居眠り事故を未然に防止するための睡眠・覚醒管理技術の開発
Project/Area Number |
16330143
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林 光緒 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00238130)
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Keywords | 居眠り事故 / 眠気 / 短時間仮眠 / シート角度 / パフォーマンス / 睡眠段階2 |
Research Abstract |
運転時の居眠り事故を未然に防止するための方法として,車内における最適な仮眠時間を明らかにすることを目的とし,車両シートを用いて実験を行った.大学生9名(平均21.4±1.3歳)がシート角度150度で総睡眠時間10分の仮眠をとる10分条件,15分の仮眠をとる15分条件,および運転時の平均角度105度で仮眠をとらない仮眠なし条件の3条件の全てに参加した.これら仮眠条件では、14:00から仮眠を開始し、10分条件では総睡眠時間が10分経過した時点で,15分条件では15分経過した時点で起床させた.仮眠なし条件では,座位姿勢における平均入眠潜時3分(阿部ら,2005)と仮眠条件の15分を合わせて18分間を休憩時間とし、この間、参加者は新聞を読んで過ごした。いずれの条件でも,仮眠の前後にシート角度105度でパソコンを用いて作業成績を測定した。実験の主要な結果は、以下のとおりであった。(1)10分条件,15分条件ともに仮眠なし条件よりも眠気が低下した(ps<.05).(2)15分条件は仮眠なし条件よりも課題の平均反応時間が速かった(p<.05).(3)仮眠内容を調べると,15分条件は10分条件よりも睡眠段階2が4.4分長かった(p<.001)が、その他の睡眠変数には、条件間で有意差は認められなかった.以上の結果から、眠気解消とパフォーマンスの向上には,総睡眠時間15分の仮眠が必要であり、入眠潜時3分を加えると、18分間の仮眠時間を設定することが,午後の居眠り予防に効果的であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)