2004 Fiscal Year Annual Research Report
授業記録の再構成と授業諸要因の抽出に関する実験研究
Project/Area Number |
16330151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
的場 正美 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (40142286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 好章 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 助教授 (70293272)
近藤 孝弘 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 助教授 (40242234)
松下 晴彦 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (10199789)
杉本 憲子 茨城大学, 教育学部, 講師 (70344827)
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Keywords | 授業研究 / 授業分析 / 授業諸要因 / 子どもの発言 / 解釈 / エスノグラフィ / 中間項 / 体験活動 |
Research Abstract |
【研究目的】本研究は、教授・学習活動の諸現象を叙述する記号ないしコードを開発し、それにもとづついた授業諸要因を抽出する分析手順と解釈方法および解釈に伴う諸問題を、1)記号の開発と可逆性の検証、2)要因の抽出と顕在化による記号の機能の検証、3)解釈に伴う諸問題の解明、4)国際比較による記号の標準化を通して、明らかにすることを目的としている。 【成果】実験授業の計画・実施・分析、および調査研究により次の成果が得られた。 1)多様な活動の表れる授業計画・実施と記録の収集:日本に関しては「インコの劇」(表現活動)、「消防署の仕事」(調査活動)、「水溶液」(実験活動)等の授業記録を作成し、ドイツに関しては「Die Verkehrsregelung durch enen Polizi」など5点の授業記録を作成し、中国に関しては「揚子江」など2点の授業記録を作成し、分析の基礎資料を蓄積した。 2)授業研究の開始には研究者と実践者(学校)のコラボレーションの構築が、授業現象の録画には、現象学が、記録のトランスクリプションには会話分析が、授業記録の処理には中間項の設定が、要因の命名には社会的構築主義が、分析の発表形式にはエスノグラフィが関与している。 3)新しい記号の開発を必要とする子どもの発言には、これまでに開発された記号では把握できなかった思考様式が含まれていることが予測できた。しかし、今年度にはその典型例を発見できなかった。 4)記号の標準化には、授業分析手法の普及が基盤になる。しかし、グローバリゼーションと文化的アイデンティティの両方を考慮する必要があり、さらなる討論が必要である。 5)事物や概念を示す記号は、思考の概念に関する要因を表している可能性が大きく、関係を示す記号は精神活動ないし認知的活動に関わる要因を表している可能性が大きい。 6)中間項で処理された文章の可逆性を検証する実験を一部実施したが、不十分であった。2005年度に実施する予定である。
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Research Products
(2 results)