2004 Fiscal Year Annual Research Report
異文化間教育に関する横断的研究-共通のパラダイムを求めて-
Project/Area Number |
16330169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
小島 勝 龍谷大学, 文学部, 教授 (40140123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 雅弘 一橋大学, 留学生センター, 教授 (90200899)
山本 雅代 関西学院大学, 言語教育研究センター, 教授 (40230586)
塘 利枝子 同志社女子大学, 現代社会学部, 助教授 (00300335)
馬渕 仁 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 教授 (20249402)
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Keywords | 異文化間教育学 / パラダイム / 異質の共生 / 双方向性 / 関係性の組み替え / 変容のダイナミズム / 第3の見地 / 異言語間教育 |
Research Abstract |
1.全体研究打ち合わせ会を2回(7月31日〜8月1日、12月12日)、班別研究会を各班2回実施し、研究課題の追求を行った。 2.各班での主な知見等は、次の通りである。 (1)「全体班」では、異文化間教育の普及と拡散の中で、異文化間教育学の固有の方法がますます求められるとして、研究者が対象に主体的に参画する「現場生成型の方法」が提案された。また、European journal of intercultural studiesやIntercultural educationの雑誌の分析、情報メディア社会における「多様な視点の重要性」の指摘、関係文献の研究枠組み・理論モデル・キーワードの整理も行われたが、「留学生班」との合同研究会で、「基本概念」として(1)適応、(2)リテラシー(異文化間)、(3)アイデンティティ、(4)偏見、「基本的視点」として(1)相互作用(双方向性)、(2)変容のダイナミズム、(3)発達、(4)関係性の組み替え、(5)第3の見地(相対化)が挙げられ、他の班でもこれらを検討していくことになった。(2)「留学生班」では、「総称としての異文化間教育」(全体系)と「コアとしての異文化間教育」(抽出体系)に分け、後者に拘束されない研究と実践の可能性を示し、(3)「言語とコミュニケーション班」では、「異言語間教育」として、(1)相互理解、(2)双方向性、(3)創造・交渉的、(4)等位交換的、(5)平等・共存的、(6)対称的・双方向的バイリンガリズムを特徴として挙げた。(4)「発達とアイデンティティ」班では、発達段階を貫いて、関係性の再構築、生涯発達的視点、居場所感に着目することが重要であるとし、(5)「文化班」では、「本質主義的文化観」の捉え直しと、多文化教育からcitizenship educationへの移行に関する理解の必要性が指摘された。 3.各班で洋書の参考文献を挙げ、予算の範囲内で購入した。
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Research Products
(20 results)