2005 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症児への早期支援プログラム構築のためのエビデンス・ベース研究
Project/Area Number |
16330190
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 淳一 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60202389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 祥三 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (70027499)
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Keywords | 早期支援 / 発達評価 / コミュニケーション / エビデンス・ベース研究 / 自閉症 / 脳機能 / 近赤外分光法 / 可塑性 |
Research Abstract |
3歳から6歳の13名の重度自閉症幼児に、コミュニケーションの支援を中心にした支援プログラムを2年間にわたって系統的に適用し、その効果を分析した。支援プログラムは、以下のモジュールから成っている。(1)共同注意による社会的関係、(2)模倣、(3)音声言語理解、(4)音声言語表出、(5)機能的言語。プログラムは、週1回の大学でのセッション、親面接、家庭での指導を通じて実施された。親面接は、スーパーバイザーがワンウェイミラーから専門家のかかわりを見ながら実施した。保護者には家で課題を記録してもらい、翌週のフィードバックでは、ポジティブで安定的した相互作用が出現していることを常にチェックしながら、プログラムを進めて行った。以下のようなステップでの指導が効果的であった。(1)反応型共同注意から始発型共同注意への移行、(2)他者に向いた動作模倣から自己動作模倣、音声模倣への移行、(3)(4)言語理解と言語表出の等価関係の形成、(5)要求言語から叙述言語、役割交替への移行。発達検査の結果、9名の自閉症児の社会言語領域の発達指数が大幅に向上した。また、適応行動尺度では、全員にっいて生活スキルの向上が見られた。このような指導だけでは、音声言語の獲得がなされなかった4名の自閉症児については、絵カードの交換によるPECS(picture-exchange communication system)を導入した。その結果、2名について、家庭、学校など日常場面においても、有効にコミュニケーションができるようになった。また、音声理解、音声表出が促進された。また、脳機能の計測を、近赤外分光法を用いて行った。その結果、言語刺激の韻律情報(プロソディ)を与えた際、活動する部位が、自閉症児は、定型発達児と異なるなどのデータを得た。
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Research Products
(4 results)