2005 Fiscal Year Annual Research Report
障害学生の普通教育内インクルージョン時の課題と対応-勉学支援とネットワーク化
Project/Area Number |
16330191
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Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
旭 洋一郎 長野大学, 社会福祉学部, 教授 (30298400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 力夫 長野大学, 産業社会学部, 学長 (60097459)
シモンズ マーガレット 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (20319099)
石原 剛志 長野大学, 社会福祉学部, 助教授 (10340043)
太田 晴康 静岡福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (80387539)
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Keywords | 障害学生の高等教育 / 情報保障技術 / 大学のインクルージョン教育 / 音声認識ソフトの活用 / 点訳ソフト / 一般学生と障害学生 / DAISY / 障害者の大学教育 |
Research Abstract |
障害学生への授業等における情報保障には基本的確認事項がある。第一は障害の有無によって学ぶ学生に情報の差が生じないようにすること、第二に障害を持たない学生にも勉学上の益になること、第三に情報保障における教員の個人的負担をできる限り軽減すること、第四に大学全体の取り組みとして確認し共有することである。この研究もこのルールをいかに実現するか、次の3つの研究課題から実証的に追求し、障害学生のインクルージョン教育システム構築の一助とした。その3つの課題とは、A.障害学生の学習情報資料作成化の効率化の研究、B.作成資料の整理・保存に関する研究、C.作成資料の活用、相互利用のためのネットワーク網整備のためのモデル作りである。 まずA.障害学生の学習情報資料作成化の効率化の研究についてである。(1)視覚障害のある学生には、点訳データ作成の効率化とテキストデータ活用という2つの方法を実証的に検討したが、学生の状況と教員のスキルとの関係如何が大きな情報保障のファクターになることが明らかになった。学生はもちろんであるが、教員のスキル教育充実の必要性がある。(2)聴覚障害のあるには、主にパソコンによる音声認識ソフトの活用をし、リアルタイムの情報保障を試みた。従来の情報保障は、手話もしくはノートテイクによるものであったが、一定の技術を持つ支援者の確保が困難であり、リアルタイム性の確保が難しい等の難点があった。音声認識ソフトの活用が可能となれば一気に問題解決になるが、現状のソフトとハードの能力ではかなりの人的支援が必要であることがわかったと同時に大きな教育的可能性-一般学生への情報提供、学生参加のあり方等の可能性もあることも明らかになった。 研究課題のBにも学内サーバー利用をはかり、また、学生のアクセスの便宜もはかり、情報教育の実習の場ともなったのである。 大学の違い、教育機関の違いを超えて、システムや資源を有効に活用する点では課題が残されているが、長野県内への情報提供等具体的なネットワーク構築が課題である。
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