2006 Fiscal Year Annual Research Report
スクリプト言語による汎用数論システム共同開発と数論アルゴリズム研究
Project/Area Number |
16340011
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中村 憲 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (80110849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 成憲 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40433172)
鈴木 登志雄 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30235973)
津村 博文 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (20310419)
福永 力 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (00189961)
松野 一夫 津田塾大学, 学芸学部・数学科, 准教授 (40332936)
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Keywords | 数論アルゴリズム / 数論システム / Python / NZMATH / 量子公開鍵暗号 / 楕円曲線 |
Research Abstract |
スクリプト言語Pythonによる数論システムNZMATH(紅鱒)を開発しており、ウェブページhttp://tnt.math.metro-u.ac.jP/nzmath/で公表し、開発者と利用者が共同で構築する体系的な数論システムを目指している。今年度の主要な実装め成果は、整数分解問題に対する数体篩法や、虚2次体の整環のイデアル類群、有限体上の楕円曲線の群と種数2超楕円曲線のヤコビアンの群などの構造計算である。また研究協力者の松井鉄史によるシステム開発の理論的考察が、NZMATH : Past and Future of the Development」(Proc.AC2005,Nov.2006.TMU)、「Development of NZMATH」(Proc.of ICMS 2006,LNCS4151,158-169)に掲載され、国際的に高い評価が確定した。更に、中村・内山「数論システムNZMATHの開発と応用」(首都大学東京研究シーズ発表会2006、2006年12月、東京国際フォーラム)で、これ迄の成果が総合報告され、暗号やセキュリティへの応用に期待が寄せられた。 実際、既に、、このNZMATHシステムを応用して、数体を用いた量子公開鍵暗号のパラメタ設定に関する研究をした。有理数体と虚二次体の場合にご量子公開鍵暗号のパラメタ生成、暗号化、復号化を実行するプログラムを、開発中のNZMATHに実装し実験した。それにより量子計算機を使う部分以外で、鍵生成が低速である事を確認した。そこで、鍵生成順序の変更を提案して実装し、高速化を実現した。また、この暗号系の安全性はナップサック問題の密度や擬密度により保証されるが、従来方式によれば密度は十分高いが擬密度が低い事を調べ、これ迄の素数の法ではなく、合成数の法による暗号系を提案し、個々のナップサック問題は擬密度も低くできる事を示した。この数体り実装が比較的容易にできた背景には、スクリプト言語によるシステム開発の効力が顕著に見えるといえる。
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Research Products
(9 results)