2006 Fiscal Year Annual Research Report
原始形式の周期写像に対随する可積分系及び無限次元リー環の研究
Project/Area Number |
16340016
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斎藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 茂 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80115641)
齋藤 盛彦 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10186968)
岡 睦雄 東京理科大学, 理学部, 教授 (40011697)
諏訪 立雄 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40109418)
青木 宏樹 東京理科大学, 理工学部, 講師 (10333189)
|
Keywords | 不連続群 / 極限集合 / 正規ウエイト系 / 三角圏 / エータ積 / 対数型微分形式 |
Research Abstract |
今年度の実施計画で述べた4項目に基ずき各々について成果報告を行う。 1.不連続群に対する或種の統計力学的極限操作より定まる分配関数の研究。 本年度は、この項目に関しいくつか大きな進展が見られた。予定通り不連続群関連のセミナーを開設して特に前期にはKellerhals教授を迎えての講演会を行った。 研究成果として、不連続群に対する極限集合Ω(r, G)の概念を確立しそれが有限の時には有理的収束をすることを示しその結果として、極限集合の或トレースが増大関数の最小極における剰余表示を持つことを示した。これ等の仕事は不連続群研究の全く新しい局面を切り開いたものと思われる。現在その成果を投稿中である。 2.正規ウエイト系に対し定まる三角圏の構造の研究。 昨年度は高橋篤史氏、梶浦宏成氏等との共同研究でADE型の時にルート系を構成することができた。今年度は最小exponentが一1となる、14種及び8種のウエイト系に対してそのあるstrongly exceptional collectionを決定した。これは申請者が約20年前に消滅サイクルの研究に際し位数有限のコクセター変換を持つ不定二次形式を14+8種の分類した(未公表)リストと完全に一致する。当時はルート系の立場からの研究であったが、クセター変換のみではexponentのphaseを完全に決定できないという困難があり、正規ウエイト系からそれ等を導き出すという研究方針に改めた。今回同一のルート系がカテゴリカルに構成されたことで、exponentのphaseを完全に決定できたことは、正規ウエイト系を用いた研究方針の正しさを裏付けたといえる。現在共同論文を執筆中である。 3.エータ積の係数の非負性について。 昨年度以来、安田正大氏とこのテーマで討論を続けてきたが、同氏は申請者の提起した、ウエイト系に対して定まるエータ積の係数の非負性についての一連の予想に完全な解決を与えた。現在その成果は投稿中である。 4.日露共同事業(日本学術振興会)「複素代数多様体の解析と幾何」について。 上記事業(平成18年5月1日-平成20年4月31日、日本側代表斎藤恭司ロシア側代表A.Aleksandrov)の申請が認可され交流事業を行った。本年は8月13日・19日モスクワ、12月11日・15日京都で研究集会を行ったが、その必要経費の一部を当科研費により支給した。またその共同研究の成果は数理解析研究所講究録に報告する予定でいる。
|
Research Products
(6 results)