2004 Fiscal Year Annual Research Report
2次元結び目解け予想の解決と数学の真髄の初等的探求
Project/Area Number |
16340017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松本 堯生 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 聖一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60254380)
松田 浩 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70372703)
松本 眞 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70231602)
榎本 彦衛 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00011669)
盛田 健彦 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00192782)
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Keywords | 2次元滑らか結び目 / 結び目解け予想 / 2次元ブレイド / チャート表示 / 1助変数族 / マルコフ型定理 / 安定化 |
Research Abstract |
結び目が解けるための必要十分条件は、2次元滑らか結び目以外に関しては、補空間のホモトピー型が自明な場合と同じという条件で既に与えられている。本研究課題は「2次元滑らか結び目に対しても同じ条件が解けるための必要十分条件であることを示す」という4次元トポロジーの難題を初等的に解決し、その余勢で数学全般を見直そうという試みである。 以前から交点を許した2次元結び目の1-助変数族を構成することができていたが、それを2次元ブレイドの1-助変数族に変換する。これは古典結び目のマルコフ型定理の拡張であり、研究分担者鎌田が2次元結び目の1-助変数族に適用した手法を交点を許した形に拡張する。このためのアイデアは既に得ており、現在研究分担者鎌田がその部分を執筆中である。一方、こうしてできる特異2次元ブレイドの1-助変数族をチャート表示すること自体にはそれほど大きい問題がない。しかし、1-助変数族が単純な特異2次元ブレイドのみでないことからくる困難の解決が必要であり、この点に関して今年度大きな進展が見られ、研究課題の前半である「2次元滑らか結び目解け予想の解決」そのものに目鼻が立った段階であり、次年度中に論文執筆を予定している。具体的には、一端が自明な結び目であることを用いて、単純でない2次元ブレイドは非常に特別な形でしか出没しないことを主張するのであるが、安定化によってもその状態が本質的には変化しないことがわかったということである。この手法によって、単純な2次元ブレイドの1-助変数族のときに運用できる高さの取替え法がこの場合にも適用できることがわかり、自己交差の成分数をひとつ減らすことができる。これで数学的帰納法を適用すると、しかるべき条件を満たす結び目が自明であそことが判明するというわけである。 初年度は研究課題の前半に力を注いだため、後半については他の研究分担者との連絡や準備をしくいか行った段階である。
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