2005 Fiscal Year Annual Research Report
2次元結び目解け予想の解決と数学の真髄の初等的探求
Project/Area Number |
16340017
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松本 堯生 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 聖一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60254380)
松田 浩 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70372703)
榎本 彦衛 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00011669)
松本 幸夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (20011637)
河内 明夫 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00112524)
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Keywords | 2次元結び目 / 解け予想 / 2次元ブレイド / チャート表示 / 変形 / マルコフ型定理 / カンドル / 初等的 |
Research Abstract |
結び目が解けるための必要十分条件は、2次元滑らか結び目以外に関しては、既に与えられている。本研究の前半は2次元滑らか結び目に対しても同じ条件、つまり補空間のホモトピー型が自明な場合と同じという条件が、結び目が解けるための必要十分条件であることを示そうという試みである。 以前の研究によって、交点を許した2次元結び目の1-助変数族を構成することができている。それを2次元ブレイドの1-助変数族に変換するところが、マルコフ型定理の拡張であるが、研究分担者鎌田が中心になって完成し、2月の広島トポロジー研究集会で研究発表を行った。こうしてできる特異2次元ブレイドの1-助変数族のチャート表示自体にも、1-助変数族が単純な特異2次元ブレイドのみでないことからくる困難があったが、それも解決された。次は一端が自明な結び目であることを用いて、2次元ブレイドの1-助変数族の高さの取替え法を確立し、自己交差の成分数を減らす方法を研究すればよい。しかしながら、今年度の研究によって、1-助変数族が単純な特異2次元ブレイドのみであった場合にもこの点に関して未だ証明されていない基本的な問題が存在することが判明した。とはいうものの、チャートの変形の状況は明確になっているので、ブレイド群の特定の元との交換群を代数的に研究し、幾何的な考察を行うことによって証明が完結できるものと考えている。 本研究では、2月に広島トポロジー研究集会を開催し、トポロジーに関して結び目など広範囲にわたった初等的な研究を中心に多くの発表が行われ、熱心な議論があった。また、カンドルに関する研究が研究分担者鎌田・松本(幸)によって行われ、研究代表者も結び目の解け予想以外に固有ホモトピー論の初等的な研究特に固有ルステルニク・シュニレルマン数の研究を研究支援者レヒドール氏と推進している。研究の前半の解決が予定より遅れたため、後半の準備が予定よりあまり進んでいないが、上で述べた研究などはその一例である。
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