2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340018
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
佐伯 修 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (30201510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 一浩 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80270362)
大本 亨 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20264400)
岩瀬 則夫 九州大学, 大学院数理学研究院, 助教授 (60213287)
高山 晴子 九州大学, 大学院数理学研究院, 助手 (90274430)
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Keywords | 障害類 / 特異点 / 消去 / ホモトピー論 / 特異ファイバー / 分類空間 / 写像芽 / 位相不変量 |
Research Abstract |
今年度は,大域的特異点論の重要な問題のうち,特異点消去のための高次の障害類の定式化,特異ファイバーの普遍空間の構成,そして可微分写像の特異点と多様体の可微分構造の関係等について調べてゆく予定であった. まず高次の障害類については,佐伯と佐久間が折り目特異点のみを持つ写像が存在するための障害類について詳しく調べた.この問題は多様体の安定接空間の分類写像の持ち上げ問題と関連することから,ホモトピー論的観点から研究を進め,Postnikov分解に現れる高次の障害類が,特異点消去のための高次障害類と考えられることを発見した.このことから,一般の特異点についてもその消去のための高次の障害類がPostnikov不変量として解釈できる可能性が示唆され,今後の研究の発展が期待される. 次に,特異ファイバーの分類空間については佐伯と大本が研究を進め,K同値に基づく分類を基準に取れば,既存の多重特異点の分類空間と類似の構成により,そうした分類空間が実際に構成できることがわかった.しかもそのホモトピー論的構造もかなり単純であることが明らかにされ,いくつかの具体的な状況で対応するコホモロジー類を特定することにも成功した. 残念ながら可微分写像の特異点と多様体の可微分構造の関係についての新たな知見は得られなかったが,特異ファイバーの分類空間が構成できたことで,分類写像のより精密な情報を調べることにより多様体の可微分構造に関する情報が得られる可能性が出てきた. さらにこうした特異ファイバーの理論を応用して,普遍複体のコホモロジー群から得られる同境不変量を用いて,平面への可微分写像芽の位相不変量の構成に成功した.このことも今年度の大きな成果の一つである.
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Research Products
(6 results)