2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340021
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小林 亮 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60153657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
儀我 義一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70144110)
長山 雅晴 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20314289)
野々村 真規子 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20333320)
三村 昌泰 明治大学, 理工学部, 教授 (50068128)
上山 大信 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20304389)
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Keywords | 粒界 / 多結晶 / フェーズフィールドモデル / 特異拡散 / SO(3) / ドメイン成長 |
Research Abstract |
本年度は、計画通り初年度に完成させた多結晶構造の時間発展を記述するモデル方程式の2次元コードを3次元コードに拡張することができた。このコードの作成のもとになっているのは、SO(3)を9次元ユークリッド空間に埋め込み、射影を用いることでSO(3)に変数値を制限するという方法である。この方法はかなり多くのメモリを必要とするので、64ビットマシンを購入することで実質上のメモリの制限をなくした。これにより、核生成から凝固、粒界の形成、結晶粒の成長という一連の過程の3次元シミュレーションが可能となった。 4元数の空間に値を取らせることで、向きの表現空間を9次元から4次元へ落とすことも検討したが、これは一つの向きに対し2つの表現が対応することから来る困難を回避することができないことがわかった。この事実は、結局のところ、最大の問題である結晶構造の対称性を考慮した場合に起きる、表現行列と向きの多対1対応の問題と本質的に同じ問題である。 この対称性に起因する表現と向きの多対1対応の問題は、表現空間の商空間を考え、それをユークリッド空間に埋め込むことができれば、理論的には一応解決する。しかし、与えられた対称性に応じてどのような埋め込みを具体的に構成するかということと、どのような数値アルゴリズムを設計するかという問題が残る。これらの問題はそれほど簡単ではないことが、研究が進むにつれて明らかになってきた。 ここまでの研究成果をふまえて、最終年度は引き続き上記の方法で対称性の問題の解決にチャレンジする一方で、違ったアプローチを探って行きたい。
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Research Products
(7 results)