2004 Fiscal Year Annual Research Report
応用逆問題・非適切問題に対する新しい数値解析手法の確立
Project/Area Number |
16340024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯 祐介 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70203065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 直志 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (90127118)
西田 孝明 京都大学, 理学研究科, 教授 (70026110)
山本 昌宏 東京大学, 数理科学研究科, 助教授 (50182647)
今井 仁司 徳島大学, 工学部, 教授 (80203298)
大西 和榮 茨城大学, 理学部, 教授 (20078554)
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Keywords | 逆問題 / 非適切問題 / 数値解析 / 数値計算 / 多倍長計算 / 偏微分方程式 / スペクトル法 / 任意精度計算 |
Research Abstract |
逆問題は各種非破壊検査や断層撮影など、現代社会の最先端技術と関わる実用上の重要な問題と関連する問題である。その殆どは数学上は「Hadamardの意味で非適切(ill-posed)」な問題となっている。波動・弾性体等と関わる古典的な逆問題については解の一意性に関する数学的研究は近年進歩を遂げている。しかし、実用上の要請を考慮すると、解の再構成(特に数値的構成)が最も重要な課題であるが、これについての数学的な研究は、十分な成果が得られているとは言い難い。その一方で、応用分野では、アドホックな手法でも解の再構成のアイデアが色々と提案され、成果を挙げている。本課題研究は、これらの新しいアイデアを精査し、その上でそれらの新しい視点に基づく逆問題あるいは非適切問題に対する数値解析手法を確立し、さらにそれを多倍長数値計算環境で実現することが主眼である。 研究初年度の平成16年度には、多くの逆問題の解の再構成で現れる第一種積分方程式の数値計算を取り上げ、正則化法を利用しない直接数値計算法の確立を図った。これは、データに誤差を含まない純粋数学的な問題設定において、スペクトル法を利用した打ち切り誤差の指数的減少評価を持つ離散化手法と、多倍長数値計算法を組み合わせたもので、さらにそこに現れる数値積分の高精度アルゴリズムを併用することで成果を得た。この研究は、実用問題でデータが誤差を含む場合の正則化法の併用において、正則化パラメータの最適選択問題の基礎を与える成果でもあり、今後の研究発展が望まれるものである。さらにの数値積分の高精度アルゴリズムも多倍長数値計算環境を活用した新たな結果であり、この公式の多次元化も今後の課題として位置づけている。
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Research Products
(4 results)