2007 Fiscal Year Annual Research Report
界面現象のダイナミクスを解明する最前線の数値解析とその展開
Project/Area Number |
16340029
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
友枝 謙二 Osaka Institute of Technology, 工学部, 教授 (60033916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 昌泰 明治大学, 理工学部, 教授 (50068128)
今井 仁司 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (80203298)
川口 正美 三重大学, 工学部, 教授 (30093123)
田端 正久 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30093272)
儀我 美一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70144110)
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Keywords | 反応拡散系 / TCD法 / Hele-Shawセル / ヴィスコスフィンガリング / 泡上昇問題 / 結晶成長 / 浸透域の分裂、再融合、再分裂 / マルチスケール有限要素解析 |
Research Abstract |
本年度(最終年度)においては、交付申請書に従って研究を遂行し、以下のような成果を得ることができた。 1)成長する結晶表面の動きの数理モデルでは、従来は熱力学的効果や化学反応による効果等はよく論じられてきたが、流れによる輪送効果はほとんど論じられてこなかった。この点について流体力学の観点から反応拡散方程式を含めたモデルを考察しそれに対する様々な解析を行い成果が得られた。数値計算法については、特異反応項を含む反応拡散方程式をTCD(Threshold Competition Dynamics)法でシミュレートする方法を開発した。これによって、多次元での位相的に複雑な界面挙動を高精度に且つ容易に再現することができた。また有限要素法による気泡上昇問題の解析ではその泡の併合現象の再現が可能となった。 2)Hele-Shawセル中を上昇する泡の伴流発生メカニズムの解明においては、泡の形状、泡の重心の軌跡、泡の上昇速度および泡の上昇する際の後方に観測される伴流の変化の様子をボンド数を用いて整理できることが明らかなった。また、ボンド数が大きくなると、泡の形状はクラゲに似ており、その伴流は箒星の尻尾のようであることを初めて見つけた。 3)物理量のスケールオーダーの違いを克服するために開発したマルチスケール有限要素解析を用いて多結晶集合組織形態すなわちその界面ダイナミクスを正確且つ高速に数値解析を行うために,大規模問題に対応した並列計算手法を開発した。その結果,後方散乱電子回折法により計測された結晶形態をマルチスケール解析へ導入し,高精度な材料特性評価を実現した。 4)空間2次元での蒸発過程に現れる浸透領域の分離・融合・再分離過程を再現する計算法とそのような現象を引き起こす初期分布関数の陽的表現を得ることができた。更に、その分離・融合を反復繰り返すための初期分布も決定することができた。
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Research Products
(112 results)