2005 Fiscal Year Annual Research Report
予測理論的新手法およびタウバー型定理の展開と記憶を持つ確率過程の確率解析への応用
Project/Area Number |
16340030
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 昭彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50168431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中路 貴彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30002174)
笠原 雪夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 学術研究員 (10399793)
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Keywords | 記憶を持つ確立過程 / 予測問題 / 確率解析 / 長期間投資問題 |
Research Abstract |
研究課題に関して、平成17年度は以下の研究成果を得た。 ・井上は、中野 張と共同で、記憶を持つ金融市場モデルを考えた。このモデルは、ブラウン運動とは異なるある多次元の確率ノイズで駆動される。このノイズ過程の各成分は、それぞれ2つのパラメータで記述される記憶を持つ。この金融市場モデルに対し、資産の期待効用の成長率の最大化や、資産が与えられたベンチマークを上回るLarge deviation確率の制御問題等を考察した。これらは、長期間投資問題に分類される。また、モデルのパラメータ推定についても考察したが、それにより、このモデルが現実のデータの特徴をよく説明することできることを見出した。この結果をまとめた論文"Optimal long term investment model with memory"を2005 Daiwa International Workshop on Financial Engineering(7月・京都)において、招待発表した。 ・井上と笠原は、Pourahamadiと共同で、単位円上の重みつきL^2空間上のある予測問題を考察した。この重みwは単位上の非負の可積分関数である。このL^2空間の1とfの間の距離をwの外関数およびその逆数の級数展開の係数で表すというのが、我々の主結果である。ここで、fは三角多項式でfrequenciesがZの半直線から一点を除き、まあ一点を加えた集合Sにあるようなもの全体に渡るものである。一点を加えまた除くとは、観測する時間が一つ欠けまた一つ加わるということに対応する。この問題を、既製の手法で直接解くことはできない。この主結果の証明においては、双対性と直交化のテクニックをバランスよく組み合わせるのが、鍵となる。この結果をまとめた論文は、アメリカ数学会のjournalに出版される予定である。
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Research Products
(6 results)