2005 Fiscal Year Annual Research Report
擬等角写像群と普遍タイヒミュラー空間のモジュラー群の研究
Project/Area Number |
16340036
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
松崎 克彦 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (80222298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 啓成 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10154189)
谷口 雅彦 京都大学, 理学研究科, 助教授 (50108974)
中西 敏浩 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00172354)
須川 敏幸 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30235858)
佐官 謙一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70110856)
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Keywords | 擬等角写像 / タイヒミュラー空間 / 写像類群 / モジュライ空間 / フックス群 / リーマン面 / 双曲幾何 / 漸近的等角写像 |
Research Abstract |
本年度は,漸近的タイヒミュラー空間上のファイバー(漸近的等角類空間)を不変にする擬等角写像類群の部分群の作用を中心に研究した.この問題が,コンパクトとは限らない一般のリーマン面のモジュライ空間の構造を解析する上でのキーポイントとなることが判明したからである.部分的な成果として以下のような結果を得た.(1)双曲幾何的有界条件をみたすリーマン面については,可解な部分群の漸近的等角類空間への作用の軌道が離散的であることを証明した.(2)巡回群については何の条件もなしに,その軌道は離散的であることを示した. さらに,この結果(2)を利用して,擬等角写像類の分類を行った.これはコンパクトリーマン面に対してはよく知られたものであるが,それを一般のリーマン面に対しても拡張する試みである.まず,軌道のタイプによる分類を行い,写像類の実例を構成した.次に,コンパクトの場合の状況を拡張した性質として,「停留的」と「漸近的楕円型」というものを設定し,その性質を特徴づけた.また,非停留的な写像類の扱いが今後の難関になることから,いくつかの興味深い例を構成した. 関連する研究として,非自明な正則自己被覆をもつリーマン面について,その被覆自身の構造と,その被覆から誘導されるタイヒミュラー空間の間の写像の力学系についての考察も行った.前者については,単位円板におけるダンジョワ・ウォルフの定理の拡張に相当する結果を得た.
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Research Products
(6 results)