2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 貴 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40114516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
小田中 紳二 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (20324858)
名和 範人 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90218066)
和田 健志 熊本大学, 工学部, 助教授 (70294139)
野邊 厚 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (80397728)
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Keywords | 臨界現象 / スケーリング / 双対変分構造 / 力学系 / 圧縮性流体 / Gibbs測度 / Trudinger-Moser不等式 / 爆発 |
Research Abstract |
相転移、相分離、記憶形状などの臨界状態に関する現象論であるLandau-Ginzburg理論とPenrose-Fife理論の数理構造を解明、特にこれらが自由エネルギーに基づいたModel(B)方程式,Model(C)方程式として定式化されていることを明らかにして、双対変分原理に基づいて定常問題を非局所項を持つ非線形固有値問題として定式化した。特に実解析的な立場から従来の研究を精密化し、Penrose-Fife方程式,coupled Cahn-Hilliard方程式,Falk-Alt-Pawlow方程式の力学系を確立するとともに、これらの線形化安定な定常解の力学安定性を証明した。またGierer-Meinhardt, FitzHu-Nagumo, Nishiura-Ohnishi, Eguchi-Oki-Matsumura方程式など、Toland双対で記述できない現象論的方程式の定常問題について先駆的な研究を行った。これらの成果については高分子討論会、物質科学国際研究集会で報告して、自己組織化に関わる多方面の研究者と討論を重ね、特に自己集合形成に関する変分構造の役割に関する実験に基づいた理論的な指針を得た。これにより、遠平衡と変分構造との関係が明確となり、特に腫瘍方程式で新たな研究の方向性が得られた。一方流体の研究では最初に圧縮性流体の基礎方程式と取りくみ、定常状態とその安定性について変分構造に基づく研究を行った。特に粘性項を加えることにより、弱解の大域的存在を確立するとともに、双対変分原理を用いて定常問題を再定式化することによって、その解の構造の解明に革新的な視点を与えて安定性を証明した。本研究を通じた最も大きな進展は、この過程で双対問題のスケーリング構造から、3次元の量子化爆発機構が分類されたことにある。これによって90年代に展開された定常問題に対する2次元のこうした現象が高次元で再現され得ることが明確となった。
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Research Products
(22 results)