Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 昭孝 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (60115938)
小田中 紳二 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (20324858)
名和 範人 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90218066)
和田 健志 熊本大学, 工学部, 助教授 (70294139)
野邊 厚 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (80397728)
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Research Abstract |
平均場階層に現れる爆発機構の質量量子化の解明が進み,スケーリングと双対性による研究方法が確立してきた.定常問題では,自己双対ゲージ理論に現れる多様体上の最も基本的な平均場方程式について,mountain pass typeの解が現れる仕組みを,Palais-Smale条件の壊れる状況のもとで解明し,また一点爆発解の線形化非退化性がその凝縮点であるRobin関数の臨界点の非退化性から得られることを示した.これらの研究によってこの問題の解の構造が非常に明確となってきたので,引き続き研究を進めていく予定である.次に多数の渦度が決定論的に配置されている場合の渦点の一般平均場方程式を導出し,特にneutralという状況のもとで,対応するTrudinger-Moser不等式が本質的に改良されることをblowup analysisの方法で証明した.次に,高次元の質量量子化の研究を開始して,定常問題では境界条件から爆発点の衝突が回避されることをスケーリングと双対変分原理を用いて証明した.この方程式は自己重力流体の定常状態として導出されるので,対応する非定常問題の弱解の構成を行い,力学安定性を考察した.また自然な拡張として,熱輻射のある方程式,天体力学で導入される種々のエントロピー汎関数から導出される方程式の予備的な研究を行った.次に緩和時間のある場合の2次元走化性方程式を研究し,量子化しない爆発機構が実在することを証明した.双対変分原理がもたらす力学安定性については,形状記憶合金,相転移について研究を進め,特に非局所項を持つ非線形固有値問題の解の構造をタイムマップによって考察した.腫瘍方程式については,Rascleの方法によって知覚関数が凸である場合に空間1次元では時間大域解が存在することを証明した. 緩和時間のある走化性方程式の極限である非局所項をもつ放物型方程式において,10年来の懸案であった量子化しない爆発機構が解明されたことを受けて,定常状態を共有する様々な非定常状態で生ずる個別の現象の解明を目指し,特に一般化normalized Ricci flowの研究を開始して臨界質量の場合に全領域が消滅点(爆発点)となることが証明できた.その一方緩和時間のないSmoluchowski-Poisson方程式の無限時間爆発の量子化についてほぼ最終的な証明を得た.また空間高次元の場合の対応する結果について研究の糸口をつかむことができた.
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