2006 Fiscal Year Annual Research Report
原始惑星系円盤におけるダスト沈殿・成長過程および系外惑星の形成問題への応用
Project/Area Number |
16340054
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井田 茂 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (60211736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀和 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (00282814)
北村 良実 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (30183792)
小久保 英一郎 国立天文台, 理論天文系, 助教授 (90332163)
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Keywords | 系外惑星 / 原子惑星系円盤 / ダスト / 惑星形成 / 数値シュミレーション |
Research Abstract |
この10年間に、200個以上の系外惑星(太陽系外の恒星のまわりの惑星)が発見され、太陽型主系列星においては、視線速度法の観測限界以上の巨大ガス惑星を持つものだけでも、惑星系が存在する確率は5%以上であることがわかってきた。このことから、惑星形成は星形成に伴う普遍的プロセスだといえる。惑星系は、星形成の副産物である原始惑星系円盤の中で生まれる。円盤は、質量の98〜99%が水素・ヘリウムのガスで構成され、残りが重元素を中心としたダスト粒子として浮遊していると考えられている。μmサイズのダストはkmサイズの微惑星へ、微惑星は地球型惑星、ガス惑星のコアへと集積する。コア質量がある値をこえると、その強い重力で円盤ガスをひきつけ、木星のような巨大ガス惑星が形成される。 円盤内でのダスト密度の空間分布の進化は惑星形成の初期条件を探る上で極めて重要で、それはダストの赤道面への沈殿とそれに伴う合体成長である。本年度は乱流のある場所とない場所(dead zone)があった場合の円盤の粘性拡散について調べ、観測データと比較すると、dead zoneは実際には存在しない可能性が強いことがわかった。また円盤に乱流があると、それにひきずられて、ダスト間の相対速度は一般に増大する。そのような比較的高速でのダストの衝突についてシミュレーションを行い、はじめはフラクタル構造をもつが、衝突につれて球形になることを示した。また、その形状の変化が円盤からのダスト放射の進化にどのように影響するのかについて考察した。 日本の赤外線衛星望遠鏡AKARIの打ち上げが成功し、現在、原始惑星系円盤のサーベイが始まっている。その解析にも加わり、データ取得をはじめた。そのデータと上記のような理論モデルとの比較も始める予定である
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Research Products
(4 results)