2006 Fiscal Year Annual Research Report
高い量子効率をもつ光電子増倍管の開発と、気球による硬X線偏光観測への応用
Project/Area Number |
16340055
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
片岡 淳 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (90334507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 誠之 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (80195031)
郡司 修一 山形大学, 理学部物理学科, 助教授 (70241685)
斉藤 芳隆 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (50300702)
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Keywords | X線・ガンマ線天文学 / 散乱型偏光検出器 / 気球実験 / PTMアセンブリ / 真空放電対策 / 偏光ビーム実験 |
Research Abstract |
本年度は課題の最終年度にあたり、以下の3点について大きな進展があった。これにより、当初予定していた全ての開発・実証試験を全て達成することができた。 (1)光電子増倍管(PMT)アセンブリの大量生産を終了 (2)プロトタイプ7ユニット偏光計の試作とビームラインにおける性能評価 (3)気球実験PHENEXへのPMTアセンブリ搭載と動作実証 まず、PoGOLite実験で用いる必要数のPMTアセンブリを製作し、それぞれについて詳細な受け入れ試験(温度試験・真空試験・ゲイン測定など)を実施した。これらの結果をテーブル化し、実機製作に向けたデータ管理を始めている。このうち7本のPMTアセンブリを実機センサーに組み合わせ、7ユニットの完全な偏光計を試作した。また3本についてはスウェーデンが提供するBGOシンチレータと組み合わせ、反同時トリガ用のセンサーを構築した。これらの実機センサー(プロトタイプ)を用いて、2006/7月に大阪大学核物理研究センターの陽子ビームをもちいた照射試験を行った。軌道上における荷電粒子バックグラウンドの影響を詳細に調べ、読み出し回路の開発・改良に反映させることができた。さらに2007/3月には高エネルギー研究所・放射光施設のビームラインをお借りして偏光照射試験を行った。どちらの試験でも期待される性能が遺憾なく発揮されていることが確認された。共同研究者である郡司(山形大学)は気球実験PHENEXにおいて、本課題で開発したPMTアセンブリをモニタカウンタとして実機に搭載し、気球環境でも検出器が正しく動作することを確認した。今後は、本課題で開発したノウハウ・技術を引き続き継承すれば良く、2008年度における最初のフライトに向けてきわめて大きな一歩を得ることができた。
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Research Products
(6 results)