2005 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙麈の結晶化温度計を用いた星間分子雲から惑星形成に至る熱史の研究
Project/Area Number |
16340056
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 哲生 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10126196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 靖大 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (30252224)
墻内 千尋 立命館大学, 理工学部, 教授 (80027812)
香内 晃 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60161866)
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Keywords | 結晶化 / アモルファス / 宇宙塵 / 彗星 / 温度計 / 宇宙物質進化 |
Research Abstract |
宇宙塵の結晶化を熱史の「温度計」として用いるための実験的・理論的方法を確立し,星間分子雲から惑星系形成に至る熱史の解明する.特に以下の研究を行なう:1)制御した条件下での生成したダストの結晶構造と赤外スペクトルの相関関係の確立.2)結晶化過程の鍵となる物性値(e.g.結晶化の活性化エネルギー,原子拡散係数)の測定とそのデータベース化.3)アモルファス物質内における結晶核形成と結晶成長の素過程の明確化.4)結晶化条件の定式化.5)観測との比較. 昨年度に引続き,星周環境を想定した高温低圧の条件のもとでシリケート粒子,炭素質粒子を生成し,電子顕微鏡を用いた結晶構造解析を行なった.その結果,アモルファス・シリケート粒子の表面を他の物質で覆ったコア-マントル構造をもつ粒子について,結晶化温度が低下することを確認した. さらに,MgSiO3、Fe2SiO4、FeSiO3等の粒子の生成実験から,プラズマ場や加熱がFe系について必要なことを見い出し、生成確率の低くなることが明らかになった.粒子のスペクトルと合成法で得られた基礎データとの対応ができる状況になった. 理論的研究においては,非熱的結晶化モデルを完成し,短報を出した.これは現在印刷中である.詳細な論文は現在準備中である.新たな展開として,シリケートメルトの結晶化実験を解析し,結晶化条件の定式化の研究に着手した.以上に加えて関連する研究を広範に推進した.
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Research Products
(6 results)