2005 Fiscal Year Annual Research Report
キセノンを用いた高分解能の全吸収型カロリメータの開発
Project/Area Number |
16340064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 俊則 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (90220011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春山 富義 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90181031)
寺沢 和洋 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (10329138)
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Keywords | 素粒子実験 / カロリメータ / 高純度キセノン / 国際共同実験 / 光電子増倍管 |
Research Abstract |
内容積1000リットルの真空断熱容器を利用して、キセノン検出器実用化に必要となる基礎技術の開発を行った。開発を行うに際して必要なキセノンガスは共同で研究を進めているスイスポールシェラー研究所から借り受け、キセノンガス中の不純物を除去するための加熱型金属ゲッターを使用したガス純化装置の開発、キセノンガス貯蔵用の高圧タンクからキセノンガスを減圧して取り出し適切なフローをコントロールするためのガスフロー制御システムの開発を行った。キセノンガスを液化し、液体保持を行うためには、低温部に機械的な稼動部分がなくノイズの少ないパルス管冷凍器を使用した。これら各システムを統合してキセノン液化試験を遂行し、自動運転を行うために必要なソフトウェアの開発を行い、ネットワーク経由で運転状況をモニターしながら運転を自動化するための技術開発に成功した。 昨年度から開発を進めていた液相でのキセノンガス純化技術については、運転時にモレキュラーシーブの交換ができるように純化装置に改良を加えるともに、液体のフロー制御、純化装置内での液面制御に必要となる低温液体輸送用真空断熱二重配管、低音液体制御バルブを製作し、運転を行うにあたってシステム内に流入する外部からの熱量が問題ない範囲に抑えられることを確認した。 検出器としての性能評価を行うにあたっては、有効体積が70リットルのプロトタイプ検出器を利用して行った。検出器性能を評価するためにAmアルファー線源および検出器を通過する宇宙線を利用することで検出器中でのキセノンシンチレーション光減衰長の算出を行い、Co、Am-Beなどのガンマ線源を利用することでガンマ線に対する検出器分解能の評価試験を行った。また、より高いエネルギーでの検出器分解能の算出を行うために、中性子によって励起されたNi原子核からのガンマ線を利用することを試み、励起Ni原子核からのガンマ線を液体キセノン検出器により捕らえることに成功した。
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Research Products
(1 results)